「伸二さんとサッカーがしたい」 興梠慎三を札幌に導いた“天才”小野との共闘願望
【独占インタビュー】ミシャに加えて小野の存在が移籍の決め手「学んでいくことはたくさんある」
元日本代表FW興梠慎三は、新シーズンから自身3チーム目となる北海道コンサドーレ札幌でプレーする。レンタル移籍を決断した背景には、恩師である“ミシャ”ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督のほかに、“天才”と呼ばれる元日本代表MF小野伸二の存在も決め手の1つになったという。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全3回の3回目)
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興梠にとって、プロキャリアをスタートさせた鹿島アントラーズ以上に長い、9年間を過ごした浦和レッズは、数々の思いが詰まった特別なクラブだ。それだけに、レンタル移籍とはいえ、チームを離れる決断は容易ではなかった。それは「生半可な気持ちでこのクラブにやって来たわけではありません」という言葉からも見て取れる。
興梠の背中を押した最も大きなファクターは、2013~17年に浦和で指導を受けたペトロヴィッチ監督の存在だ。今年1月に開催された「北海道コンサドーレ札幌 新年会2022」では、「2017年に(浦和を)退任になった時のことは今でも忘れられない。どうしてもっとチームのためにできなかったんだろう、ミシャを勝たせることができなかったんだろうと、今でも後悔が残っている。いつかチャンスが来たら、また一緒にやりたいとずっと思っていました」と語っている。
同時に、日本サッカー界が誇る天才ファンタジスタとチームメイトになってみたいとの思いがあったことも明かす。
「ミシャとサッカーがしたいと思って北海道コンサドーレ札幌に来ましたけど、もう1つ、伸二さんとサッカーがしたいとも感じました。学んでいくことはたくさんあると思います」
鹿島時代に6回、浦和時代に2回、小野とリーグ戦で対峙した興梠は、実際にそのプレーを間近で見てみて、異次元の凄みを改めて感じたという。
「伸二さんとは何度も対戦しています。想像と同じで、凄い選手でした。僕が言うのもおこがましいですが、技術が本当にしっかりしている。サッカー好きじゃないと、あの年齢(42歳)までできないと思います」