「槙野智章」ってどんな人? 神戸ファンへ贈る必読“説明書”――Jリーグ屈指の強さ&絶大な発信力と神対応
大きな影響力と発信力が魅力の1つ、目の前のファンや子供とも思い出を共有
明るく陽気なキャラクターが印象に残りやすいが、トレーニングでは厳しさを見せ、チームの全体練習だけでなく、個人的な追加トレーニングにも取り組む。一方で、試合日のロッカールームではスピーカーを持ち込んで音楽を掛けながらチームを盛り上げるなど、文字どおりにムードメーカーとしての行動も見せる。
そのような面にとどまらず、大きな影響力、発信力を持つのが槙野の魅力でもある。広島時代にはチームメイトを巻き込んでの劇場型ゴールパフォーマンスで一世を風靡し、浦和では勝利した試合後に選手たちがピッチ上で歌う時間を定着させた。軋轢を生むこともあるが、話題を作りながら外に向かってJリーグの魅力を発信する力の持ち主であり、神戸ではどのような新しいことを仕掛けるのかも注目ポイントの1つだ。
現在は新型コロナウイルスの影響が色濃い社会情勢で実現されていないことも多いが、試合前の整列で槙野はフェアプレーキッズの子供たちに優しく話しかける姿を見せてきた。それは自身が体験した際の「緊張していて何も覚えていない」という思い出に基づき、少しでも記憶に残る時間になってほしいという思いからのことだ。
また、浦和時代に埼玉県民の日とクラブが設定したファンサービス日が重なった際は、集結した約500人のサポーターと2時間をかけて会話も交わしながら対応し、こどもの日には練習場を訪れた子供たちに「じゃんけんで勝ったらスパイクプレゼント」も開催してその場を大いに盛り上げたこともある。メディアを通じた姿だけではなく、そうした目の前のファンや子供たちに対する姿が見られる選手だ。
神戸での初年度では、2月23日に浦和のホーム開幕カードでいきなり神戸との対戦が組まれている。そして、プレーオフからの出場になるが槙野の得意とするACLの舞台も待っている。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタらを擁するタレント軍団の中で、槙野がどのような存在感を発揮するのか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)