2022年Jリーグ、新天地で“大復活”を遂げそうな10人は? 若手からベテランまで注目タレント厳選

金子大毅、恩師率いる京都で再ブレイクなるか ストライカーたちの再出発も期待

■槙野智章
所属:ヴィッセル神戸
ポジション:DF
年齢:34歳
2021年リーグ成績:31試合2ゴール(J1/浦和レッズ)

 昨シーズンの浦和ではスタメンを外れ、終盤は終盤のパワープレーで投入された試合もあったが、契約満了がリリースされて迎えた天皇杯の決勝で、チームを優勝に導くゴールを決めるなど“槙野ここにあり”を見せつけた。

 引退したトーマス・フェルマーレンに代わるセンターバックとして期待されるが、チームに明るさを加える意味でも大きい。長いシーズン苦しい時期は必ずあるはずだが、そんな時こそ槙野の存在が大きな支えになるかもしれない。

■ドウグラス
所属:柏レイソル
ポジション:FW
年齢:34歳
2021年リーグ成績:21試合7ゴール(J1/ヴィッセル神戸)

 本格派のストライカーが柏にやって来た。15年にはサンフレッチェ広島でリーグ戦33試合21ゴールをマーク。UAE、トルコを経て、18年夏に加入した清水エスパルスでは1シーズン半で25ゴールを決めた。

 神戸では途中出場が多かったなかでも、相手のディフェンスに脅威を与えて2シーズン連続7ゴール。新天地では大エースとしての活躍が期待される。柏ではプレシーズンマッチの“ちばぎんカップ”で見せたように、ワンチャンスでも仕留め切る決定力を武器に、前からのディフェンスや幅広いチャンスメイクでも貢献しそうだ。

■伊東幸敏
所属:大分トリニータ
ポジション:DF
年齢:28歳
2021年リーグ成績:6試合0ゴール(J2/千葉)

 鹿島に12年から在籍して、16年のリーグ優勝をはじめ国内外のカップ戦を獲得するなど、豊富な経験を積んできた。しかし、18年の膝の怪我を境に出番が減少したところから、完全復活を期した昨年の千葉では出番に恵まれず。

 千葉加入時に「自分は多くのクラブを渡り歩くタイプではない」と語っていた伊東にとって1年での移籍は苦渋の決断だったかもしれないが、必要とされる環境でJ1昇格を目指す右サイドバックが大分に推進力をもたらすか。鹿島の同僚でもある三竿雄斗と左右から良質なクロスを供給する。

■金子大毅
所属:京都サンガF.C.
ポジション:MF
年齢:23歳
2021年リーグ成績:12試合0ゴール(J1/浦和)

 類まれな身体能力と生かしたボール奪取とダイナミックな攻撃参加を武器に、湘南でブレイクした金子は東京五輪の有力候補としても期待された。しかし、さらなる飛躍を目指した浦和では湘南から戦術的なタスクが大きく変わったこともあってか、中盤のポジションを確立できず。ベンチから外れる試合も多かった。

 湘南時代の恩師である曺貴裁監督が率いる京都も、中盤には川﨑颯太など強力なライバルは存在するが、守備から攻撃、攻撃から守備に転じる局面でのパワーという部分では卓越したものがある。年齢的にも“完全復活”というより再ブレイク、そしてさらなる飛躍を期待できるタレントだ。

■興梠慎三
所属:北海道コンサドーレ札幌
ポジション:FW
年齢:35歳
2021年リーグ成績:20試合1ゴール(J1/浦和)

 稀代のストライカーは浦和時代の恩師であるペトロヴィッチ監督の下、2年ぶりの2桁ゴールで、タイトル獲得を目指す。これまでJ1で158ゴール、カップ戦を含めれば公式戦191ゴールを記録している。

 鹿島時代の12年から9シーズン連続で2桁ゴールを記録してきたが、キャンプから怪我で出遅れた昨年は出場機会も安定せず、1ゴールに終わった。札幌からは昨夏にもオファーを受けていたが、その時は残留を決意。しかし、引退も考えたという冬に届いた再度のラブコールに心が動いた。

 正確な技術と柔軟な身のこなしを駆使したポストプレーから、ボックス内で無類の勝負強さを発揮できる。多くのチャンスを作りながら、なかなか得点を奪い切れない札幌には願ってもない点取り屋の加入であり、ACL出場権とタイトル獲得を大目標に掲げるチームの大きな力になる期待は高い。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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