“多摩川クラシコ”のキーマン・長友佑都&山根視来が激白、サイドバックの「魅力」とは?

試合はすでに始まっている…対談中から情報戦はスタート⁉

――長友選手がキャリアをスタートさせた時からも、サイドバックに求められているものというのは、増えている感覚がありますか?

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長友 増えているでしょうね。今はボールをつないで、保持できないといけません。先ほど視来が言ったように、1本のパスで局面を打開することもそうですよね。トップレベルになればなるほど、「これは、ハマったな」「サイドバックにパスが出たら、プレスがハマるな」と思った時でも、(ブラジル代表DF)マルセロとか、そういう選手になってくると打開されてしまう。ああいう選手がサイドバックにいると、みんなラクでしょうね。あのレベルまで行くのは難しくても、そこを磨いていかないと、生き残っていけないなと感じています。

――ブラジルやヨーロッパのサッカーを見ていると、日本にいたらトップ下にいそうな選手がやっていたりしますからね。

長友 だから、ハマらないんですよね。基本的に、みんなサイドバックのところに追い込んで、ボールを取ろうとするじゃないですか。みんなで狙うわけだから、ハマりやすいと言えば、ハマりやすい。ところが、そこでサイドバックが上手くて、いなされると、どこでボールを奪っていいのか、わからなくなってしまいます。特にブラジル代表と対戦してマルセロと対峙した時は、「これ、絶対にハマっている。無理だろう」というところでも、打開してくるんですよ。だから、やっぱりトップになる選手には、トップになる理由があるんだなと感じますね。

――最後に『多摩川クラシコ』で注目してほしいところ、相手への宣戦布告をお願いします。川崎は、鬼木達監督が「スピード感のあるなかでの連続性を求める」という話をしていました。精度とスピードの両立は、非常に難しいことだと思うのですが、山根選手が意識したいと思っている精度とスピードというのは、どんなことでしょうか。

山根 始動日のミーティングでも鬼木監督は、「スピードを上げる」と話していました。それは走るスピードもそうですし、寄せるスピード、パススピード、考えるスピード、すべてが当てはまると思います。それはフロンターレが、もっと上にいくため、今年また優勝するために必要なことだと思っています。日本代表に来ても、世界と戦ううえで、そのスピードは絶対に必要だと感じました。例えばパススピードが速くて正確であれば、相手は何もできないと思いますし、個人的にもスピードと精度の両立は、意識してきたところなので、レベルアップするという意味で、チームと個人の目標は合致しているのではないかなと思います。

長友 世界の高いレベルを目指して取り組むのは、日本サッカーも盛り上がりますし、そういう選手やチームが出てくるというのは、とても良いことだと思います。いろんなチームのレベルアップにつながると思います。

 ただ、僕からは特にないですね。情報を何も与えたくないので。試合はもう始まっていますから。僕はそんな戦術とかいろいろ、言いたくないですよ。フロンターレのスタッフに知られて「長友が、こう言っていたよ。こう来るよ」となったら、大変じゃないですか。そんな軽はずみなことを、僕は言いたくない。これが僕の気持ちだと、受け取ってください。

山根 佑都くん、キャンプに参加していないから、細かいこと全部、分からないだけじゃないの(笑)?

長友 いやいやいや、ちゃんと練習試合の映像とかを見て、準備してるから。お前と一緒にするなよ! 失礼だな、キミは(笑)。

山根 僕も宣戦布告は難しいですが、佑都くんは1人で、チームの雰囲気をポジティブに持っていくエネルギーのある選手ですし、それだけの実績も残している選手だと思うので、東京の左サイド、フロンターレの右サイドは、キーポイントになると思います。そこでどちらが優位に立てるのかは、かなり大事になってくるのではないかと思っています。

――今回の2人の話をきっかけに、サイドバックに注目して見てくれる人が増えてくれるんじゃないかなと感じています。個人的にも、2人が試合前からどんな駆け引きをしているか、注目したいと思いました。

山根 久しぶりに佑都くんに会えるんで、それだけで笑ってしまうかもしれないです。

長友 俺がアキに挨拶に行ったら、また笑うでしょ(笑)。

山根 間違いないです。それで戦闘モードが解除されるかもしれない(笑)。

長友 それなら、あえて戦闘モード解除しに行くわ(笑)。

(河合 拓 / Taku Kawai)

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