ベテラン長友が抱く“多摩川クラシコ”・アウェー戦への思い 「フロンターレ、素晴らしいな」…感動の光景とは?
両者が考える“ダービー”への特別な思い
――今後の試合にも影響がある開幕戦ですが、さらに『多摩川クラシコ』というダービーマッチの側面もあります。長友選手はこのダービーマッチをどう捉えているのでしょうか。
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長友 ダービーは、やっぱり盛り上がりが違いますよね。イタリアのインテルに所属していた時はミランとのミラノ・ダービー、トルコのガラタサライ在籍時はフェネルバフチェとの試合、フランスのマルセイユでもリヨン戦やパリ・サンジェルマン戦がありましたが、常にレベルも高く、熱量もすごくて、街の雰囲気も変わりました。
ただ、昨年、日本に帰ってきてフロンターレと『多摩川クラシコ』を戦いましたが、すごくフロンターレのサポーターのみなさんが、礼儀正しく、温かかったんです。海外だと、アウェーチームとしてダービーマッチが行われるスタジアムに行くと、僕たちが乗っているバスにいろいろなモノが飛んできたりして危険なんです。それがフロンターレのスタジアムに到着した時は、アウェーにも関わらず、バスが到着した時に拍手をしてもらったんですよ。さらに、ピッチに出てくる時も拍手をしてもらって感動しました。アウェーで行われるダービーに行って、拍手で迎えられるというのは、初めての経験だったので「フロンターレ、素晴らしいな」と、ビックリしました。
――日本のサッカー観戦がいかに安全でリスペクトに溢れているか、Jリーグの魅力の一つと言えそうなエピソードですね。
長友 もちろん、ファン・サポーターも勝ちたいので、相手にブーイングをすることがあってもいいと思うんです。ただ、僕が一度も感じたことがないダービーのサポーターの反応だったので、「これも素晴らしいな」、「日本人の性格、気質が表れているな」と感動しました。
山根 フロンターレのサポーターは、あんまり汚い言葉を使ったりしないですし、拍手とか、「もっと頑張れ!」という前向きなエネルギーを常に出してくれます。ただ、その佑都くんの感覚は、海外でサッカーをしていないと分からない感覚なのかなと、今、聞いていて思いました。
――2020年のJリーグYBCルヴァンカップでは、FC東京がレアンドロ選手の2ゴールで2-0と勝利をしていますが、リーグ戦では2018年5月の勝利を最後に、そこからは川崎が6勝1分と無敗です。そういう意味では、2020年に川崎に加入した山根選手は、FC東京戦に対する苦手意識がないのではないでしょうか?
山根 FC東京戦に限らず、ここ2年のフロンターレは非常に調子が良いですからね。ただ、そのルヴァンカップで負けた試合は、結構、みんな覚えていて「先に失点するときついよね」という話をします。監督が代わって、今年、どういうサッカーをしてくるか分かりませんが、FC東京は、能力が高い選手が揃っていますし、乗せてしまうと難しい試合になるイメージがありますね。
長友 フロンターレは、監督が変わっていませんし、選手も大きくは変わっていないので、戦術的なところでも、ある程度はイメージができます。その対策もしますが、まずは自分たちが新しい監督になって、どれくらい戦術を浸透させて、表現できるのかを、しっかりやらないといけません。