買収騒動、切り札タッグ、4冠の可能性 プレミアリーグ後半戦注目の4クラブを厳選
新監督招聘も低調 エバートンの大物補強は実を結ぶのか?
■エバートン(16位/5勝4分12敗/勝ち点19)
リバプールが上位を走る一方、同じマージーサイドのエバートンはプレミアリーグで降格圏目前に低迷している。危険地帯から浮上するため、チームは大きな変化を余儀なくされている。最も大きな変化はやはり指揮官の交代。1月16日にラファエル・ベニテス前監督が解任され、後任としてフランク・ランパードが招聘された。
戦力面では、ベニテス前監督との確執があったフランス代表DFリュカ・ディニュがアストン・ビラへ去ったのは大きな痛手だが、その一方でトッテナムからイングランド代表MFデレ・アリを4000万ポンド(約63億円)で獲得。さらにマンチェスター・ユナイテッドで出番のなかったオランダ代表MFドニー・ファン・デ・ベークもレンタルで連れてくるなど、大物をチームに加えることに成功している。
しかし、チームの状態は決して上向きとは言えない。ランパード監督の初陣となったFAカップ4回戦のブレントフォード戦は4-1で勝利を飾ったものの、続くリーグ戦ではニューカッスルに1-3で完敗している。
ランパード新監督は3-4-2-1システムを採用。最終ラインから細かなパスをつなぐビルドアップを図っているものの、これがお世辞にも機能しているとは言えない状況。ニューカッスル戦では前線からのプレスに苦しみ、ボールを思い通りに前進させることができず、結局GKジョーダン・ピックフォードが何度もロングキックを蹴らされる格好となっていた。守備面も3バックとウイングバックの間のスペースを執拗に狙われており、修正が必要だろう。
さらに最近の試合でDFベン・ゴッドフリー、MFデマライ・グレイ、DFジェリー・ミナなど負傷者が相次ぐアクシデントにも見舞われるなど不安要素は尽きない。
開幕3戦連続ゴールの後に怪我で長期離脱したイングランド代表FWドミニク・キャルバート=ルーウィンも1月から戦列に復帰しているが、攻撃の歯車はどこか噛み合わないまま。デレ・アリやファン・デ・ベーク、FWアンワル・エル・ガジといった注目の新戦力たちがどれだけ早くチームに溶け込めるかが大きなポイントとなる。就任早々、ランパード新監督の手腕が試されることになるだろう。
<主な移籍>
【IN】
デレ・アリ(←トッテナム)
ドニー・ファン・デ・ベーク(←マンチェスター・ユナイテッド/期限付き移籍)
アンワル・エル・ガジ(←アストン・ビラ/期限付き移籍)
ネイサン・パターソン(←レンジャーズ)
【OUT】
リュカ・ディニュ(→アストン・ビラ)