買収騒動、切り札タッグ、4冠の可能性 プレミアリーグ後半戦注目の4クラブを厳選
補強で選手層に厚み 打倒マン・シティの最右翼リバプール
イングランド1部プレミアリーグは、今冬の移籍市場での移籍金が歴代2位の2億9500万ポンド(約464億円)を記録。大物選手の移籍や監督交代も相次いで実現している。この移籍マーケットを経て、後半戦の動向が注目される4クラブをピックアップした。
■リバプール(2位/15勝6分2敗/勝ち点51)
首位マンチェスター・シティとの勝点差は9(消化試合はマン・シティが24、リバプールが23)とやや開きはあるが、それでも“ストップ・ザ・シティ”の筆頭は2位のリバプールだろう。もともとのチーム力では昨季王者にも引けを取らないが、1月から2月にかけて行われたアフリカネーションズカップでエジプト代表FWモハメド・サラーとセネガル代表FWサディオ・マネ、ギニア代表MFナビ・ケイタが一時的に不在となることから、マーケットでの動きに注目が集まっていた。
そして実現したのはコロンビア代表FWルイス・ディアスの獲得だ。サラーとマネ、さらにポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタ、ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノ、日本代表MF南野拓実らを抱える前線にポルトガル1部FCポルトから新たなウインガーを加え、攻撃のバリエーションを増やすことに成功している。
25歳のディアスは今季ポルトガルリーグで18試合に出場して14得点5アシストを決めている右利きのアタッカーで、メインポジションは左サイド。サイドから中央にカットインしてゴールに迫るプレーが得意で、アフリカネーションズカップ優勝を手土産にまもなく合流するマネとのポジション争いが濃厚だ。デビュー戦となったFAカップ4回戦のカーディフ戦(3-1)では途中出場から南野の得点をアシストしている。
新加入選手はこのディアス1人だが、MFハーヴェイ・エリオットの復帰は実質的な補強と言っていいだろう。開幕直後は中盤の一角でスタメンに名を連ねていた18歳は第4節のリーズ・ユナイテッド戦(3-0)で左足首を脱臼骨折。そこから約5か月間のリハビリを乗り越え、カーディフ戦でついに実戦復帰を果たした。その試合で早速ゴールを決めており、再びスタメン争いに絡むことが期待される。
サラーとマネの両エース不在の間もリバプールは公式戦6試合を5勝1分と無敗で乗り切った。この間にジョッタが3得点、フィルミーノが1得点1アシスト、南野が2得点とアタッカー陣は各々が結果を残している。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)も再開するこれからの戦いに向けて、ポジティブな要素と言えるだろう。
リバプールはプレミアリーグ、FAカップ、リーグカップ、CLの4冠の可能性を残している。複数コンペティションの連戦による選手のコンディションは気がかりなところだが、逆転優勝を目指す後半戦に向けて充実の冬を過ごしたと言えそうだ。
<主な移籍>
【IN】
ルイス・ディアス(←ポルト)
【OUT】
ナサニエル・フィリップス(→ボーンマス/期限付き移籍)
ネコ・ウィリアムス(→フルハム/期限付き移籍)