「ハラハラ」ではなく「ワクワク」のシーズンへ 清水の春季キャンプで見えた課題と期待
コロナ禍でチーム作りはやや物足りなさが残るも大きなアクシデントはなし
9日間と短いキャンプ期間ということもあり、初日と最終日、練習試合の当日以外の5日間は2部練習となっていたが、実際に全選手で行った2部練習は2日間のみ。宿泊先では同じ会場で食事はしていたが「黙食」となり、鹿児島県屈指の宿泊ホテルの大浴場の温泉も基本的には入浴禁止。もちろん1人部屋への往来は厳禁となり、キャンプでの本来の目的である「チーム作り」という意味では、練習時間や選手たちのコミュニケーションを含めて若干物足りないものになった。
それでも、他クラブがキャンプ中に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、数日間の活動停止となってしまったことを考えれば、松岡以外は大きなアクシデントもなくキャンプを終えられたことは良かったと捉えるべきなのだろう。
コロナ禍以前であれば、クラブが静岡からのキャンプ観戦ツアーなどを募り、多くのサポーターが見学に訪れていたが、今回は昨年同様にグラウンド内での見学ゾーンは設けられず、それでも熱心なファン、サポーターが休日にはネット越しに新チームに対して熱い視線を送っていた。
我々メディアも3日ごとに自費で購入した「抗原検査キット」で陰性反応証明を提出して取材をしていたが、キャンプも終わり、2月19日に行われる北海道コンサドーレ札幌との開幕戦までのカウントダウンが始まった。昨シーズンから一足飛びにチームが激変するとは思っていないが、クラブとチームが一丸となって平岡監督が目指す「選手もサポーターも楽しめるサッカーの強い清水エスパルス」を1日でも早く復活させて、新シーズンこそ「ハラハラ」ではなく、「ワクワク」するシーズンになることを願い、ホームでの開幕戦を心待ちにしている。
(Sの極み・下舘浩久 / Hirohisa Shimodate)
下舘浩久
しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。