浦和ロドリゲス監督の“右腕”、戦術クオリティー向上へ見解 「阿吽の呼吸も生まれる」
徳島から加入したMF岩尾、ロドリゲス監督が推し進めるサッカーへ言及
今季、徳島ヴォルティスから浦和レッズに加入したMF岩尾憲は、新シーズンに向けて副キャプテンに就任。雪の中で実施された2月10日のトレーニング後にオンライン取材に応じると「考えすぎず無意識にポジションを取れるようなオートマチックさと速度感」を、リカルド・ロドリゲス監督のサッカーが機能する条件に挙げた。
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今季浦和で就任2年目のロドリゲス監督は、日本でのキャリアはJ2の徳島ヴォルティスでスタートし、4シーズン目の2020年にJ1昇格へ導いた。その4年間でチームの中核としてプレーしてきた岩尾は今季、浦和に期限付き移籍の形で加入している。
いきなりの副キャプテン就任について、33歳の岩尾は「自分の意思として、クラブ内での立ち位置や既存の選手へのリスペクトもあり、リカルドとの4年の経験も過去のことなので、考えるところはあると話した」と、指揮官に意見をしたという。そして、最終的にはロドリゲス監督の決断と要請があり、主将の元日本代表GK西川周作、3人の副主将では日本代表DF酒井宏樹、MF関根貴大とともに、チームをまとめる立場になった。
注目されるのは、ロドリゲス監督のコンセプトを熟知する岩尾の加入が浦和のチーム全体の質をどう高めるかにある。旧知の指揮官が推し進めるサッカーについて、そのバロメーターを岩尾はこう表現した。
「戦術的なところが細かい監督だし、相手を見ながらになるので変則的なこともある。色々な形を取って、見て考えているなかでも、考えすぎず無意識にポジションを取れるようなオートマチックさと速度感が生まれると、チームとして機能している状態になると思う。それができると、阿吽の呼吸も自然発生的に生まれると思う。貪欲に狙ったとしてもタイトルを取れるかどうかは分からないが、近づくにはその段階に持っていくのが大事」
12日に川崎フロンターレと対戦する富士フイルム・スーパーカップは新シーズンの公式戦初戦であり、岩尾としては浦和で初のゲームになる。その試合に向け「キャリアの中では、プロになってからずっとTVで見ていたもの。そのピッチに立たせてもらうこと、すべての人に感謝している。出場できるのは天皇杯で優勝したから。そのピッチに自分は立っていないので、その功績がある選手にも失礼のないようにしたい」と、昨季にタイトル獲得を果たしたメンバーへ敬意を示した。
そのうえで、浦和でのプレーについても強い思いを話している。
「クラブの方々から話を聞いたなかで、これまでの歩みや気質を聞かせてもらった。非常にタイトルに飢えている印象がある。初めてタイトルを狙えるような大きな規模のクラブでプレーするし、僕もそれに飢えている。実現できるし、期待されている。そこでプレーできるのは喜ばしい。これからの成長も含め、自分の中に可能性が転がっているんじゃないかと思う。その意味でも、責任も同時に大きいけれども、J1制覇という目標に向け選手としてもチームとしても地に足をつけて成長できるようにと思っている」
浦和は今季、下部組織からの昇格を含め13人が新加入し、昨季から全体に世代交代と若返りが進んだ。フィールドプレーヤー最年長での加入になるロドリゲス監督の“右腕”は、早くも大きな存在感を示しそうな気配を漂わせている。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)