マジョルカ“大型化”、久保建英に追い風 冬補強で“有数の掘り出し物”発掘、攻撃オプション増加

FWベダト・ムリキとMF久保建英【写真:島田 徹】
FWベダト・ムリキとMF久保建英【写真:島田 徹】

大型ターゲットのムリキが攻撃の柱、久保のアシスト数増加と得意の突破力発揮に期待

 久保にとっては、ムリキという大型のターゲットができたことでクロス供給からアシスト数の増加が期待される。さらにすでに攻撃の柱になった感のあるコソボ代表FWをおとりに使うことで別の選択肢も生まれてくる。カディス戦では前半2度シュートを放ち、一度ポストに当てるシーンもあっただけに、相手に恐怖心を与えることで得意の突破力がより生きるだろう。

 マジョルカは当面、カディス戦の先発4-4-2を基本布陣にする予想され、久保は右MFの定位置を得ている。連戦の場合や対戦相手によって韓国代表MFイ・ガンインが第2オプションになるといったところか。

 ただし今後アスレティック・ビルバオ、ベティス、バレンシア、レアル・ソシエダと格上との対戦が続くだけに、連敗となればてこ入れの必要も出てくる。その時に今回の移籍市場で手薄になった中盤にしわ寄せが出てくる可能性もありそうだ。今回のマーケットを経て、ポジション別の陣容はFW(5)とGK(4)が1増、中盤(9)は1減になっているのだから。

 とはいえ、周囲が久保に期待しているのはレギュラーの座を争うことではなく、苦しい状況でのチームを救う活躍だということは間違いない。決勝点を挙げた第16節アトレティコ・マドリード戦や国王杯エスパニョール戦といった散発的な活躍をより頻繁に見せる必要がある。そういう意味で真価を問われる後半戦になる。

(島田 徹 / Toru Shimada)

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島田 徹

1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。

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