「日本がうらやましい」 W杯出場消滅の中国、関係者が嘆く育成システムの“弱点” 学業成績、人間関係も課題
【中国サッカー考察コラム#7】男子代表チームに投げかけられた「情けない」の言葉
日本のサッカーファンのみなさま、こんにちは。中国サッカーメディアにて活動をしている久保田嶺です。中国代表は1月27日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第7節の日本戦で0-2、2月1日の第8節ベトナム戦で1-3と2連敗を喫し、本大会出場の可能性は完全に潰えました。中国国内では「脸都不要了(情けないですね)」という言葉がネット上を埋め尽くし、男子代表チーム解散を望む声も聞こえてきます。中国サッカー関係者はこの結果をどう受け止めたのでしょうか。取材しました。
「脸都不要了(情けないですね)。日本だけでなく、本当にベトナムにも負けるとは」
開口一番こう話すのは、中国大手サッカーメディア「懂球帝」の薛航(シュエ・ハン)記者です。訳すと“情けない”といった意味を持つこの「脸都不要了」という言葉は、2002年の日韓W杯にも出場した中国サッカー界のレジェンドDF范志毅(ハン・シギ)氏が13年当時、タイU-23代表に中国フル代表が1-5で負けてしまった際のインタビューで口にした名言です。特に、今回は「タイの次はベトナムに負ける」とハン・シギ氏がこのインタビューで言っていたことから、サッカーファンのみならず多くの中国人がこの言葉を使い、今の悔しさを表しています。
「日本代表戦も特に何もできず、終わってしまった。日本サッカーがうらやましいです。絶え間なく才能のある若手が出てきて、伊東(純也)選手や久保(建英)選手。日本は育成の部分が素晴らしいのでしょう。中国サッカーにはそれがないです」
取材中にシュエ・ハン記者が多く話していたのは、やはり日本サッカーがうらやましい、特に育成面は日本と中国で大きな違いがある、ということでした。確かに今回の中国代表は平均年齢が30歳と高く、インパクトのある若手が少なかったのは間違いありません。では、具体的にどこに日中育成の違いがあるでしょうか。専門家に聞きました。
久保田嶺
1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。