命運を分けた守護神の一歩 元日本代表GKが語る、ポルトガルのEURO優勝決定弾が生まれた理由
「GKは横に動いたらダメなんです」
「DFの連携の面でも、もっといい対応ができたかもしれない。フランス代表の選手がゴールを奪われた後、言い合うシーンがありました。寄せが甘い、という部分もあったのかもしれません。あのシュートシーンでは、GKは横に動いたらダメなんです。もしかすると、一歩斜め前に出ていたら、シュートに触れたかもしれない。ファーサイドを意識して、横に出た。もちろん斜め前に出たとしても、左側にスーパーシュートが来たら元も子もない。結果論になりますが、あの一歩がロリスにとっては敗着になりました」
勝敗を分けたロリスの小さな一歩の重要性を指摘した一方で、ポルトガル代表の守護神ルイ・パトリシオ(スポルティング)は、堅守ポルトガルの象徴になったという。
「ポルトガルは目立たないけれど、守りの堅さを武器に決勝戦まで来た。やられなかった。そこが全て。予選から負けずにPKを制していた。それで乗った部分もあるでしょう。来るボールを止める。1点も取らせない。当たり前のことを当たり前のようにこなす。簡単なようで、一番難しいことをこなしていた。ポルトガルは全員で守る、守備的なコンセプトのチームでした。このキーパーは堅守ポルトガルの象徴でした」
土肥氏はEURO決勝での2人の守護神の明暗を、こう振り返っていた。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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