輝きを放ったリオ五輪世代の「明」と「暗」 2本の豪快ミドルに込められた戦友への意地
同点弾の大島「岳人に決められて悔しかった」
大きな挫折を味わうも決して下を向かず、この試合で掴んだ手応えを胸に、その先を見据えた。その一方で、リオ五輪の正式メンバーに選出された大島は、1失点目の場面を悔いた。
「先制点の場面、落としのパスを出させてしまったのは自分。プレッシャーも甘かった。何より、(野津田)岳人に決められたのが悔しかった」
同世代の戦友に決められた強烈な一発は、川崎の背番号「10」に火をつけた。「だから、同点の場面は、ボールを受けた時から打つと決めていた」と語った大島は、圧巻ミドルでの得点後、今までに見せたことがないような喜びを爆発させた。
これまで、リオ五輪世代の中心選手として日の丸を背負ってきた両者にとって、リオ五輪の最終メンバー発表では明暗が分かれる結果となった。しかし、その2人がこの試合では鮮烈なミドルを打ち合い、未来のスター候補生として存在感を発揮。“五輪後”を見据えた若きタレントたちの争いは、すでに始まっている。
【了】
城福達也●文 Tatsuya Jofuku
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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