森保ジャパンは「積み重ねがない」 元日本代表FW城彰二、W杯予選で露呈した“潜在的な課題”を指摘
【城彰二の目】最終予選の中国戦&サウジ戦を踏まえてパフォーマンスを総括
森保一監督率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の中国戦(1月27日)、サウジアラビア戦(2月1日)をともに2-0で制し、今予選5連勝を飾った。次節のオーストラリア戦(3月24日/アウェー)に勝てば7大会連続のW杯出場が決まるシチュエーションとなったが、果たして森保ジャパンは安泰と言えるのか。中国戦、サウジ戦のパフォーマンスを踏まえ、元日本代表FWの城彰二氏に見解を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部/全2回の1回目)
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1月下旬から2月頭にかけて行われたW杯最終予選で、日本はCBの“2枚看板”として君臨してきたDF吉田麻也(サンプドリア)、DF冨安健洋(アーセナル)を怪我で欠く緊急事態のなか、2連勝を飾った。本大会出場へ負けられない最終予選で何より求められた結果を手にした一方、試合内容には少なからず課題も覗かせた。
1998年のフランスW杯を経験するなど、代表選手としての実績を誇る城氏は「結果として勝ち点6を積み上げたのは、もちろん評価できること」としながらも、課題は山積していると指摘。今回の2試合で見せた森保ジャパンの戦いぶりには厳しい言葉が口をついた。
「試合内容の質という点では、物足りなさを抱いてしまいます。とりわけ、中国戦では連係不足が明らかに感じられ、相手の実力を考えれば2-0というスコアは選手もそうだし、観ている側としても厳しいなと感じたはず。個の能力が高い選手はいるけれども、前線の連動性が全く機能していない」
実力的に劣る中国戦では、MF伊東純也(ヘンク)の突破から相手のハンドを誘って得たPKと、伊東が途中出場のDF中山雄太からのクロスを頭で合わせた2点止まり。左サイドでプレーしたDF長友佑都(FC東京)とMF南野拓実(リバプール)による連係が機能不全に陥るなど、消化不良のパフォーマンスに「悪いなりにももう少し出来たんじゃないか」と、城氏は苦言を呈した。