なでしこ主将熊谷、アジア杯4強敗退で痛感した課題 「もう少しオプションを持つべきだった」
準決勝・中国戦で延長PK戦の末にベスト4敗退
なでしこジャパン(日本女子代表)の女子アジアカップは、ベスト4で突然、幕が下りた。
2月3日に行われた準決勝の中国戦は、ボールを長く保持しながらも、粘る相手を突き放すことができず、勝負は延長戦へ。その前半に、FW植木理子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)のこの日2点目が生まれ、ようやく逃げ切りの絵が完成したかに見えた。
しかし、延長後半14分、セットプレーからの流れを断ち切れず、中国FWワン・シャンシャンの同点ゴールを浴びた。結局、PK戦で競り負けて大会3連覇の夢は潰えた。
キャプテンのDF熊谷紗希(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)は、自らのPK失敗に責任を感じながらも90分、120分の試合の中で決着をつけられなかったことを、より悔やんでいた。
この日は、中国が大幅に選手を入れ替え、ポジションもいじってきた。そして、日本の最終ラインへ積極的にプレッシャーをかけてくる。前がかりにくる特徴と、陣形自体は予想していた日本だが、相手の選手配置を見極める時間も必要だったのか。やや、後手に回って、相手にはめられた状態で時間が経過した。
「相手が4-4-2できていて、自分たち2センターバック(CB)が、相手の2トップとマッチアップする形になっていたので、もうちょっと早く、うしろを3枚にして回すとか、ボランチを落としてとか、バリエーションをつけるべきだったなという風に思うんですけれども、落ち着いて、1つ1つ剥がせないことはなかったので、そういった見極めだったり、自分たちの立ち位置で修正するところだったりというのを、前半の早い時間帯から自分たちがやれていれば、もう少し長く、前のほうでプレーできたかなと思います」
このボランチとの関係構築については、DF清水梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)もグループリーグの後で、課題に挙げていた部分。戦術も、人も変わるなかで、準備期間が足りなかったということだろうか。
「そこは準備時間が足りなかったのが原因というよりは、もう少し自分たちでオプションを持つべきだったかな。もともと中国が4-4-2で来るだろうというのは、分析のなかであったので、ピッチの中で、いち早く自分たちが気づいて、伝え合ってと、全員がそういう意識で察知していかなければいけなかったのかなと思っています」