【J1全クラブ最新布陣】王者・川崎のチャナティップ起用法は? 大幅入れ替えの鳥栖、片野坂ガンバが躍進も!?

G大阪FW宇佐美らのタレントが片野坂監督の下でどう進化するか

■ガンバ大阪/昨季成績
J1リーグ:13位(勝ち点44/12勝8分18敗)
ACL:グループリーグ敗退
ルヴァン杯:ベスト8
天皇杯:ベスト8

【今オフ補強動向】
 片野坂知宏監督が大分で採用していた3-4-2-1に照らし合わせると、新戦力で開幕からスタメン候補になりそうなのはボランチのMF齊藤未月(←湘南)とDFキム・ヨングォン(→蔚山現代)の後釜として期待される韓国代表DFのクォン・ギョンウォン(←城南FC)か。

 昨年は特別指定でセンセーショナルなゴールを連発したFW山見大登(←関西学院大)は開幕戦からの活躍が期待される。さらにJ2岡山で再ブレイクしたMF石毛秀樹(←清水)は”カタノサッカー”にいかにも合いそうで、どのようなタスクを与えられるのか注目されるところだ。

 さらにDF福岡将太(←徳島)も対人能力が高く、徳島でボールを主導的に動かすポゼッションスタイルを習得しているだけあり、従来の主力であるDF昌子源やDF三浦弦太を脅かす存在になることは間違いない。

 ユースからの昇格組であるMF中村仁郎とFW坂本一彩も世代屈指のタレント。新しいスタイルの中で戦術的なタスクというよりは個の特長をどんどん出して行くことで、ガンバの攻撃に違いを生み出すことが期待される。MFダワン(←サンタ・リタ)に関しては合流のタイミング次第だが、シーズンを見れば主力候補だ。

■主な獲得選手
【Pos./選手名/前所属】
FW 山見大登 関西学院大学
MF 石毛秀樹 清水エスパルス
MF ダワン SCサンタ・リタ(ブラジル)※レンタル
MF 齊藤未月 湘南ベルマーレ※レンタル
DF クォン・ギョンウォン 城南FC(韓国)

■主な放出選手
【Pos./選手名/移籍先】
FW チアゴ・アウベス 岡山
MF 井手口陽介 セルティック(スコットランド)
MF 小野裕二 サガン鳥栖
MF 矢島慎也 大宮アルディージャ
DF キム・ヨングォン 蔚山現代(韓国)

【22年シーズン陣容の注目ポイント】
 昨年は終盤まで残留争いに巻き込まれたが、チーム力のポテンシャルを考えれば当然、上位躍進が期待される。リーグ優勝というのは言い過ぎかもしれないが、そこに絡んでいくぐらいの躍進は十分に可能なスカッドだ。

 新戦力も注目されるが、何よりFW宇佐美貴史やMF倉田秋といったJリーグでもトップクラスのタレントが、かつてコーチとしてガンバを支えた片野坂監督の下で、どう進化するのかも楽しみな要素だ。

 これまでは良くも悪くも選手がその場で判断して、模索しながらプレーしているようにも見えたが、相手の分析をもとに緻密な設計をしていく新指揮官の下であれば、そうした事態に陥ることはあり得ないだろう。

 ただ、逆に戦術を詰め込みすぎると、彼らの持つ創造性が尻すぼんでしまうリスクもある。大分よりは明らかにスペックが高いG大阪の戦力をどう”カタノサッカー”に落とし込んでいくのかがポイントになる。疲労面や戦術面を考えながら、いかに勝負のカードを切って行くかも見どころの1つだ。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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