「変わったなと思われる1年にしたい」 群馬・大槻新監督が再出発で見据える“改革”
【インタビュー】ザスパクサツ群馬の歴史を踏まえたうえで、“新たなサッカー”の構築へ
J2のザスパクサツ群馬は2022年シーズン、大槻毅新監督の下で新たなスタートを切る。「ザスパが変わったなと思われる1年にしたい」。再び現場に舞い戻った熱血漢は、“イズム”の注入とともに、チーム一丸となってのチャレンジに意欲を燃やしている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史)
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群馬はJ2再昇格後2年目の昨季、リーグワースト2位タイのゴール数に終わるなど得点力不足に悩まされ、18位フィニッシュと苦しんだ。しかし、シーズン最終盤のJ2残留に向けた懸命な戦いぶりが、就任オファーを受けた際に大槻監督の脳裏によみがえったという。
「強化部の松本大樹本部長から連絡をいただき、チームの現状と長期的な視野も含めて話を伺いました。昨年、ザスパが最後、苦しみながらも一丸となってJ2残留を勝ち獲ったところも見ていて、一体感のあるチームだなという印象を持っていました。これもご縁なので、しっかりと(オファーを)受けて、仕事をさせていただこうと思いました」
大槻監督は2020年シーズン終了後に浦和レッズの指揮官を退任。今回の就任まで1年間のブランクがあるが、21年は「自分をアップデートする時間」に充てていたと明かす。
「いろいろな勉強をしていました。フットボール関係で言えば映像もたくさん見ましたし、知識面で言えば、例えば今まで知りたかったフィットネスの部分を少し掘り下げて学んだり、いろんな人に会って話を聞きました。コロナ禍でやりたいことをすべてやり切れないところはありましたけど、次に向けていい準備をしようと思っていました」
そんな大槻監督は、群馬県リーグから関東リーグ、JFL、そしてJリーグとステップアップしてきたザスパクサツ群馬にどのような印象を抱いていたのか。クラブがこれまで積み上げてきた歴史を踏まえたうえで、22年シーズンのチーム作りを推し進めたいと語る。
「私もサッカー界にいたのでザスパの生い立ちから今に至るまでをぼんやりとは知ってはいましたけど、今回いろいろ調べたり、聞いたりしました。(2002年に)ザスパとなってから20年、みんなで(歴史を)積み上げてきたクラブなんだと思いましたし、土地柄的にも群馬はサッカーどころで強い高校も多く、いい選手をたくさん輩出していて、スモールクラブですけど興味深い背景があります。そのなかで、実際に来て分かりましたが、非常に風が強く、天候・気候も含めた地域の条件を踏まえてやっていきたいのが1点。もう1つは、私が来る前から所属している選手やスタッフ、今はクラブから離れた方々が積み上げた歴史もあるので、そういったものを自分の懐に入れて、構築する形をとっていきたいと思います」