ふて腐れない原口元気が森保Jに与える好影響 “日本代表のDNA”に金田喜稔が感銘「しっかり引き継がれている」
「やり切る原口の姿は、それ自体がチームを鼓舞する役割を担っている」と強調
実際、原口が終盤に投入された直近の4試合はいずれも逃げ切っており、勝ち点3を確実にたぐり寄せる役割を遂行した。金田氏は「もちろん本音を言えば、プライドは傷ついているかもしれない」と原口の心情も推し量りつつ、日本代表チームに与えるポジティブな影響を強調する。
「それでもやり切る原口の姿は、それ自体がチームを鼓舞する役割を担っている。こういう選手がいると、チームの雰囲気はぐっと引き締まるものだ。それはしっかりと見ていてあげたいと思う。そういう意味で本当に良くやっている」
歴代の日本代表にも、原口のようにチームを献身的に支え続けた選手たちがいた。金田氏は、原口の姿に“日本代表のDNA”を見たという。
「自分の能力を出し切るだけのプレー時間も与えられていないわけで、ふて腐れた態度や顔を見せても決しておかしくない状況だ。それでも原口にはそんな素振りが一切ない。いいチームには、必ずチームを支える存在がいる。歴代の日本代表も同じだ。そうした役割を担ってきた選手たちがいたし、それがしっかり引き継がれていると原口の姿を見て感じる。あの姿を見ていたら若手がサボれるはずがない」
日本代表は3月24日に敵地でオーストラリアとの大一番を迎える。この一戦に勝利すればW杯出場が決まるなか、ピッチ上で試合終了のホイッスルを聞き、歓喜する原口の笑顔が見られるだろうか。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。