ふて腐れない原口元気が森保Jに与える好影響 “日本代表のDNA”に金田喜稔が感銘「しっかり引き継がれている」

終了間際に途中出場となったMF原口元気【写真:高橋 学】
終了間際に途中出場となったMF原口元気【写真:高橋 学】

終盤出場の原口に注目 「短い出場時間でも、チームへの影響力は極めて大きい」

 森保一監督率いる日本代表は、2月1日にホームで行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第8節サウジアラビア戦で2-0と勝利した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、終了間際に途中出場したMF原口元気(ウニオン・ベルリン)に注目。「あの姿を見ていたら若手がサボれるはずがない」と感銘を受けている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 昨年10月7日のアウェー戦でサウジアラビアに0-1と敗れた日本だったが、見事なリベンジを果たした。MF伊東純也(ヘンク)のアシストからMF南野拓実が最終予選初ゴールを決めると、後半には伊東が見事なボレーから最終予選4試合連続ゴールを叩き込み、2-0で逃げ切った。

 金田氏が「影響力は周りが思うよりも極めて大きい」と称賛したのは、終了間際にクローザー役として後半45分から投入された原口だ。

「ロシアW杯のベルギー戦でゴールを決めて活躍した原口元気が、終了間際の短い時間で投入される厳しい現実がある。ましてや海外でも主力としてプレーし続けている男であり、もっとやれるという秘めた思いがあるなかで、メンタルがズタズタにされてもおかしくない途中出場だろう。それでも、自分がチームに絶対必要な時が来ると信じ、少しでも貢献しようという姿勢がすごい。これこそがW杯を経験した選手の真のプライドなのかなとも思う」

 原口がアジア最終予選でスタメン出場したのは第1戦のオマーン戦(0-1)のみ。以降はベンチスタートとなり、第5節ベトナム戦(1-0)と同6節オマーン戦(1-0)はそれぞれ後半43分、同7節中国戦(2-0)は後半40分からピッチに立ち、4試合連続で終盤での起用が続く。

「経験豊富で実力もあり、海外でも第一線でプレーしている選手がスタメンから外れ、終盤に試合を終わらせる役割で投入される。悔しい思いも秘めながら、短い時間でも与えられた任務を遂行し、ゲームをやり切る姿はチームの雰囲気を確実に引き締めると思う。たとえ短い出場時間であっても、チームへの影響力は周りが思うよりも極めて大きい」

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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