「自分の仕事を完璧にやり遂げた」 アーセナル冨安、移籍金26億円に見合う活躍と英評価
空中戦勝利数はチームナンバーワンとなるなど守備面の貢献が顕著
イングランド1部アーセナルの日本代表DF冨安健洋は今季イタリア1部ボローニャから新加入し、右サイドバック(SB)でレギュラーポジションを獲得した。英メディア「フットボール・ロンドン」は、冨安は移籍金1700万ポンド(約26億円)の価値を正当化する活躍だとここまでのパフォーマンスを絶賛している。
ベルギー、イタリアで実績を積んだ冨安は昨夏の移籍市場でセリエAの強豪クラブやプレミアリーグのトッテナムへの移籍が噂されていたなかで、マーケット最終日にアーセナルへの電撃移籍が決定。日本代表で務めるセンターバック(CB)ではなく、ボローニャでも経験していた右SBの新戦力としてチームに加わった。
プレミア第4節ノリッジ・シティ戦(1-0)でデビュー以降15試合連続スタメン出場を続けるなど、すぐに不動の地位を築いた冨安について「フットボール・ロンドン」は「1700万ポンドの新戦力が移籍金の価値を正当化する印象的なスタッツ」と特集。英データサイト「Whoscored.com」の統計によれば、冨安は90分あたりのタックル数が1.9回でチームトップ。インターセプトの回数は1.2回で、隣でプレーするイングランド代表DFベン・ホワイトに次ぐチーム2位となっている。
また、空中戦勝利数も90分平均2.7回でチームナンバーワン。これは2位のイングランド人DFロブ・ホールディングに0.5回の差をつける圧倒的な数字だという。冨安は4バックの右サイドを務めているが、左SBに攻撃的なキャラクターのスコットランド代表DFキーラン・ティアニーやU-21ポルトガル代表DFヌーノ・タヴァレスが起用されている関係上バランスを取って3バックのような形になることが多いため、やはり守備面での貢献が顕著となった。
イングランドでは知名度の高い選手でなかったことから当初は獲得を疑問視する声もあったなか、そうした評価を覆す活躍を見せている冨安。アーセナルは昨夏に6選手を獲得する大型補強を敢行したが、「トミヤスほど自分の仕事を完璧にやり遂げた選手はそういない」と新加入選手の中でも特に高い評価を受けている。新型コロナウイルス陽性や負傷による離脱が数試合あったが、代役を務めたポルトガル代表DFセドリック・ソアレスやイングランド代表DFカラム・チャンバース(→アストン・ビラ)がその穴を埋めきれなかったことも冨安の重要度の高さを強調していたと言えるだろう。
プレミア初挑戦の冨安は約26億円の移籍金が適切だったことを自らのプレーで証明してみせた。
(FOOTBALL ZONE編集部)