森保ジャパン、課題のセットプレーに“メス” 専任コーチ指導、選手から「ハマれば良いオプション」との声

日本代表のセットプレーに注目(※写真はイメージです)【写真:高橋 学】
日本代表のセットプレーに注目(※写真はイメージです)【写真:高橋 学】

W杯最終予選でセットプレーからのゴールがゼロ、専任コーチのもと改善へ取り組み

 日本代表は1月27日に埼玉スタジアムで行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の中国戦に2-0で勝利した。DF吉田麻也(サンプドリア)とDF冨安健洋(アーセナル)の主力2選手が負傷離脱に伴って招集が見送られたなか、何よりも勝利が求められた一戦でしっかりと結果を残した。

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 中国戦の勝利で最終予選4連勝とした日本だが、総得点7(7試合中)と得点力に課題を抱える。セットプレーからの得点はゼロで、この試合でもFKやCKからゴールは生まれなかったものの、これまでとは違った“工夫”を見せていた。

 セットプレーへの課題に対し、代表チームは今年に入ってから“メス”を入れた。元栃木SCの菅原大介氏がセットプレーコーチに就任。MF遠藤航は28日のオンライン会見で「練習であったり、ミーティングであったりで、落とし込む量が前よりは増えた印象です」と、チームが改善に乗り出していることを言及し、「チームとして、やはりセットプレーを取れるかどうかは大きい。なかなか(点が)取れないなかで、工夫をすることは意識した」と、振り返った。

 顕著だったのは、前半20分に得たCKの場面。MF伊東純也(ヘンク)がCKを蹴る直前、相手の選手をブロックしたMF南野拓実(リバプール)が、そのまま次の動作に入ってシュートを打ちに行く、フットサルで言うところの「ブロック&コンテニュー」と呼ばれる動きから、シュートを放ちに行った。

南野のシュートがファーポストの脇に流れ、そこへ飛び込んだ遠藤はボールに届かなかった。試合後のオンライン会見で遠藤は、「練習でやっていた形。練習でも(ボールが)流れてしまって、試合でも同じように流れてしまった」と苦笑したが、デザインされたセットプレーが、確実に増えている。

「今回も、前日、前々日にトレーニングはやりました」と、遠藤は言う。菅原コーチの果たしている役割については「おそらく、かなり分析をされていると思う。僕らに落とし込む時は、まとめられた状態で落とし込められています。そこの経緯、どういう分析を、どれだけやっているのかは見えません。でも、パターンは増えたと思う。相手によって変えられるオプションも増えた。少なからず影響はあると思う」と、チームの力になっていることを明かした。

 その一方で、デザインプレーの一辺倒になるのではなく、状況に応じた選択を選手たちがする重要性も口にした。「セットプレーのオプションは、うまくいけば、ハマれば良いオプションになります。でも、こだわりすぎると『シンプルに上げたほうがいい』となる。そこは相手に高さがあるかどうかとか、シンプルに上げたほうが分があるのかなどを見ながら、いろんなことをやってくるチームになって警戒されれば相手も嫌だと思うので、ポジティブにやっていきたい」と、考えを述べた。

 次戦のサウジアラビア戦(2月1日)も引き続き、予選突破へ負けられない一戦。中国戦で日本が見せたセットプレーのいくつかが、彼らの警戒心を強める結果につながれば、日本にもFKやCKからのゴールが生まれるかもしれない。

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