岩清水梓、なでしこJの女子アジア杯グループステージ総括 「特徴をしっかりと表現できている」と評価した選手とは
決勝トーナメントでは田中美南選手のゴールに期待
次戦の相手はタイです。単純に言ってスピードがあるチームです。アジアでは東アジアが強くて、その次の勢力に位置するのがタイです。近年、徐々に力を付けてきている印象があるので、油断はできない相手なんじゃないかなと思います。ちょっとやりづらさはあるけど、ボールは持てる。そのうえで、たまにカウンターが来る。そんなグループステージ2戦目のベトナム戦のような試合展開になるのではないかと思います。
そして次は来年のW杯出場権が懸かった大事な一戦です。相手のレベルがどうであれ、まずは自分たちのゴールに出場権が懸かってくるので、W杯出場を決めるゴールを誰が決めるのか。個人的にはそこに注目していますし、今から楽しみです。
韓国戦でベンチに復帰した岩渕真奈選手が次のどの辺で出てくるかも気になりますが、このあとは3連覇に向けて大事な試合が続くので、そこでピッチに出てきてもいいのかなとも思っています。そういう意味では、ゴールを待望されている田中美南選手に決めてもらえたら嬉しいですね。
韓国戦ではピッチに入った時間帯が、相手が優勢になっている状況だったので、孤立してしまう時間帯も多くて彼女の良さを出しづらかったと感じました。そのなかでも頑張ってキープしたり、周りを生かしたりするプレーなど、与えられた仕事をやってくれていたと思います。
ただ、FWである以上、結果=ゴールを求められるのは仕方ないことです。グループステージでゴールを決められなかったことは田中美南選手がすごく気にしているところだと思いますが、ここからが本当に大事な試合が続いていきます。決勝までの残り3試合、欲しいところでゴールに絡んでくるのが田中美南選手だったらうれしいですね。みんながゴールを決めてほしい選手だと思っていると思いますし、東京五輪でも大事なチリ戦でゴールを決めてくれたのは田中美南選手でした。欲しい時、苦しい時にゴールを決めてくれるのがエースだと思うので、田中美南選手に期待したいと思います。
実は、準々決勝の解説を中村憲剛さんと務めさせていただくことになりました。個人的には、試合展開が停滞してきた時にゴールを奪うためにどうしたらいいのかを、憲剛さんに聞いてみたいと思っています。それに憲剛さんならどう解説するのかも聞いてみたいです。例えば、韓国戦で言えば、どうやって日本のペースに持って行きますか、とか。J1リーグのトップクラブを牽引してきた憲剛さん的な分析を個人的に聞いてみたいと思っています。2人で一緒に解説を務めますけど、勉強させてもらいたいですね。今から楽しみです。