「なんてフィニッシュだ!」 EURO決勝で明暗を分けたポルトガルと仏の2人のスーパーサブ
決勝弾のエデルの歓喜と優勝弾外したジニャクの落胆
欧州選手権(EURO)決勝は、延長戦の末にポルトガル代表が1-0でフランス代表を下し、大会初優勝を飾った。両チームの切り札となったスーパーサブが大きく明暗を分ける結果になった。
ポルトガルはエースのFWクリスティアーノ・ロナウドが前半のうちに負傷交代を余儀なくされるアクシデントがあり、全体に守勢のままゲームを進めていた。一方のフランスも、開催国でありながら準決勝から中2日という厳しい日程ということもあってか、ここまでホスト国をけん引してきたFWアントワーヌ・グリーズマン(アトレチコ・マドリード)、FWオリビエ・ジルー(アーセナル)の動きにはダイナミックさが欠け、決定機を作り出せなかった。
両監督は後半30分過ぎに、こう着状態の打開に動いた。フランスのディディエ・デシャン監督は後半33分にジルーに代えて、ここまで不発が続くFWピエール=アンドレ・ジニャク(ティグレス)を投入した。ポルトガルのフェルナンド・サントス監督は、今大会でブレークした18歳の新鋭MFレナト・サンチェス(バイエルン)に代えてFWエデル(リール)を投入。この両選手が、ゲームの勝敗を分けることになった。
先に最もゴールに近づいたのはジニャクだった。後半アディショナルタイム、DFパトリス・エブラが左サイドからグラウンダーで入れたボールをキープすると、鋭いターンと切り返しで相手DFペペ(レアル・マドリード)を翻弄。飛び出してくるGKルイ・パトリシオ(スポルティング)のニアサイドを右足で狙ったボールは、バウンドしながらゴールへ飛んだがゴールポストに弾かれた。まさにラストプレーで、これを決めていればジニャクがヒーローになって自国開催を優勝で締めくくれる場面だった。
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