森岡が手にした世界との距離と、それを忘れぬネイマールのユニホーム
見せつけられた差
日本代表のMF森岡亮太(神戸)は、14日のブラジル戦(シンガポール)で先発出場し、試合後に4得点を決めたブラジル代表FWネイマールとユニホーム交換したことを明らかにした。
森岡は惨敗後のミックスゾーンで、「(ネイマールとは)試合前からちょっと話していた。ざっくりとですけど。これを見て、悔しさを思い出すようにします」と、ブラジル代表の背番号「10」のユニホームを手に入れたことを明らかにした。
ハビエル・アギーレ監督から先発に抜てきされた。試合前には高揚感を感じていたが、砂の浮き出た荒れたピッチ上に傷痕一つ残せなかった。
「ピッチに立って整列して、いい興奮というかそういう感じでした。ピッチ自体は良くなかったし、慣れるのが大変だった。最初に強くいこうと思っていた。それが重要なポイントだと思っていた。監督の指示? いや、やることは変わらない。その中で『引く時間もあるかもしれないけど、攻撃は自由に』といった感じだった」
アギーレ監督は、1点リードされると、後半開始と同時に森岡を下げ、ACミランMF本田圭佑を投入した。メキシコ人指揮官は、この一戦を来年1月のアジアカップ・オーストラリア大会に向けた選考の場と割り切っていた。ラストパスなど攻撃面を特長とするこのMFをどう“見極め”たのだろうか。
「結果として勝てていないんで。ただ、これが感じたかったことというか、こういう差を感じられたのは良かった」
取材陣から「その差」を尋ねられると、「まだまだフィジカルで負けている部分はあるし、気持ちの面の余裕もそう」と続けた。
森岡は試合後、欲してきた世界との差を感じられたことを収穫とし、その悔しさを忘れないための証しも手に入れた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web