森保ジャパンから落選、国内組の「招集する価値があった5人」 最も残念だった“選外”は?

森保ジャパンの主力MF遠藤航ともまた違ったセンスが光ったMF稲垣祥

 最後の1人は名古屋のMF稲垣祥を挙げたい。4-3-3のアンカーで安定した守備を見せながら、Jリーグや名古屋が優勝したルヴァン杯でも見せたタイミングの良い攻め上がりを何度も見せた。練習試合ではゴールこそ無かったが、日本代表の主力である遠藤ともまた違ったセンスと1つ1つのプレーに感じる自信は最終予選のメンバーでも決して見劣りしないはずだ。ただ、競争相手が遠藤に加えてMF田中碧(デュッセルドルフ)、MF守田英正(サンタ・クララ)らであることを考えると、MF川辺駿(グラスホッパー)など欧州組の実力者も選ばれていないなかで抜擢されるのは、難しかったかもしれない。

 そのほか、元欧州組の1人で、神戸から代表復帰を果たしたFW武藤嘉紀や川崎のMF脇坂泰斗、そして荒木と同じパリ五輪世代のリーダー的な存在であるMF松岡大起(清水エスパルス)なども、それぞれが持ち味を発揮。今回は選手の経験やアピール機会に加えて、練習メニューがメディアに全公開され、森保監督が直接指導する場面も多く見られた。

 Jリーグの大事な合宿の時期だけに批判的な声もあったが、前述した渡辺のように基準が引き上げられたり、自信を得てクラブに帰る選手もいたりと、多くの選手は自チームに還元してくれるはず。そういう意味でも有意義な代表合宿だったと評価するが、いわゆる“選手の旬を逃さない”という観点では勿体なさも残る。いずれにせよ、このホーム2試合は是が非でも勝利して、予選突破に大きく前進するとともに、今回の事前合宿に参加したような選手たちがカタールW杯に向けて再アピールできる機会につなげてもらいたい。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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