カタールW杯、広報部責任者が有観客開催に自信 安全開催への感染拡大防止プランは?
【インタビュー前編】広報部門責任者のファティマ・アルネイミ氏は本大会の盛り上がりを確信
カタール・ワールドカップ(W杯)は、1月25日で開催まで300日を迎える。大会組織委員会の広報部門責任者のファティマ・アルネイミ氏が「FOOTBALL ZONE」の単独インタビューに応じ、昨年12月に閉幕した自国開催のFIFAアラブカップでは新型コロナウイルス禍で50万人以上の観衆を集めた実績から、有観客試合開催に自信を示している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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昨年12月18日、W杯の公式スタジアムとなるドーハ・アル・ベイト競技場で行われたアラブカップ決勝アルジェルア対チュニジア戦には、6万人以上のファンが詰めかけた。コロナ禍での国際大会となったが、独自の観戦防止対策でスタジアムは満員。両国サポーターは大合唱で、スタンドは凄まじい盛り上がりを見せていた。
「サッカーの世界にも、新型コロナウイルスという障壁が存在します。特に、日程面では厳しい状況に直面しましたが、カタールは前進してきました。FIFAクラブW杯、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区集中開催、W杯アジア予選の中立地と開催しました。フットボールを継続させる我々のテーマを推し進める一方で、人々の安全を守る正しいプロトコルとガイドラインの策定を続けてきました。当初はACL東地区の無観客のバブル方式でスタートして同決勝で客席の20%、そしてクラブW杯で30%、アラブカップ収容数の100%と段階的に無観客から有観客にシフトしてきました。アラブカップではスタンドやスタジアムの外で凄まじい熱気を感じました。入場券も確保困難でした。世界中のファンが集結する本大会では、これ以上の盛り上がりを生み出せると確信しています」
大会組織委員会で、女性として最高位の幹部となるファティマ氏はこのように語る。
1月19日に本大会の前売り券の第1次発売申し込みがスタート。昨夏の東京五輪は無観客、北京五輪は国外からの観客を受け付けず、スポーツ界のビッグイベントは軒並み新型コロナウイルスの影響を受けているが、カタール国内外から120万人以上のサポーターの訪問を想定し、通常開催への準備を進めている。
アラブカップでは感染防止対策として、入場者に2つの条件が求められた。「アラブカップでは観客も全員2度のワクチン接種と、陰性証明が義務付けられています。ワクチンをまだ打てない子どもたちも抗原検査で陰性証明を求めました」と、ファティマ氏は説明する。