世界衝撃…日本代表「FKキッカー列伝」 左右の“2枚看板”を追って天才レフティーが台頭
木村和司から続くレジェンドの系譜、中田英寿と名波浩が“左右”で存在感
スペイン1部マジョルカに所属する日本代表MF久保建英が、1月15日のスペイン国王杯(コパ・デル・レイ)4回戦エスパニョール戦(2-1)で鮮やかな直接フリーキック(FK)を叩き込んで脚光を浴びた。そこで今回は、日本代表で活躍してきたFKの名手たちを振り返る。
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今や伝説的な存在となっているのは、1985年のメキシコ・ワールドカップ(W杯)予選の韓国戦、0-2のビハインドで迎えたチャンスで、ゴール正面の約30メートルからMF木村和司が決めた一撃だろう。右足インフロントで蹴りだされたボールは美しいカーブを描きながら、国立競技場のゴール左上のスミに吸い込まれた。今でもW杯予選の特集をする際には頻繁に映像で紹介されるほどで、日本サッカー冬の時代と言われたなかで輝きを放ったシーンだった。
93年にJリーグが開幕し、日本代表の強化も進んでいく中で初めてW杯への出場を成し遂げたのが98年フランスW杯だった。その予選を勝ち抜いたチームのセットプレー2枚看板が、MF中田英寿とMF名波浩だった。右足の中田、左足の名波と両足のキッカーがいるメリットは大きいものになった。長年にわたって日本代表を支えた2人だが、そのなかで名波は直接というよりも、味方の頭にピタリと合わせる精度の高いボールがゴールを呼び込んだ。
中田のFKで印象深いものは2001年のコンフェデレーションズカップ、準決勝のオーストラリア戦だろう。大雨の横浜国際競技場で、ゴール正面から右足を強振した一撃は壁の下を抜けていくような地を這う弾道でゴール内へ。当時、世界最強リーグとも呼ばれたイタリア・セリエAのローマでプレーする実力を見せつける一発だった。
その2枚看板を追うようにして日本代表で存在感を示すようになった天才レフティーのMF中村俊輔(横浜FC)だ。歴代トップと言っても過言ではないFKの精度を持つ中村は、03年のコンフェデレーションズカップのフランス戦で、左利きでありながら中央よりも左サイドよりから直接狙った。そのボールはGKの手から逃げるように鋭く曲り、ファーサイドのゴールポストを叩いてゴール内へ。まさに世界を驚かせる一撃だった。
中村は代表で24ゴールを決めているが、短いボールを出してポイントをズラしたものを含めると実に8ゴールがFKを蹴り込んだもの。さらには、コーナーキックを直接決めたものも1ゴールある。ペナルティーエリア周辺でFKを獲得した時に、最もゴールの期待をさせた選手だと言えるだろう。