青森山田・松木玖生はプロで活躍できるか 古川陽介との違い、成功の鍵と最低条件とは?
本当の勝負は来年、点と線で成長プロセスを見守っていく
世界を見れば10代で活躍するケースは珍しくないし、松木もそのことは認識しているはず。諸々のハードルを越えて、ルーキーイヤーから中盤の主力に定着するようなら、2年後のパリ五輪に向けても明るい材料になる。
代表チームの仲間たちはもちろん、青森山田高の同僚で、J2のFC町田ゼルビアに加入した宇野禅斗など、同世代の選手たちにも大きな刺激になるだろう。
ただし、筆者個人の見解では本当の勝負は来年。これはFC東京にも言えることで、これまでとスタイルや哲学の異なる監督が来て最初の1年だけに、勝利にこだわりながらもベースの構築をしていくシーズンになる。
その意味で、松木自身が周囲の期待を変なプレッシャーとして受け取る心配はほとんどないが、点で結果を追うだけでなく、線で松木個人とFC東京の成長プロセスを見守っていくことが望ましいように考えている。
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(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。