吉田不在のCBは大きなプレッシャーがかかる

　懸念されるのは、守備の柱であり、キャプテンとしてもチームを支えてきた吉田の不在。センターバック（CB）はイングランド1部アーセナルで主力を張るDF冨安健洋を軸に、DF谷口彰悟（川崎フロンターレ）、DF植田直通（ニーム）、DF板倉滉（シャルケ）らから相棒を起用することが濃厚だ。中国戦以上に、難敵サウジアラビア戦では、CBの選手にプレッシャーがかかるだろうと栗原氏は推察する。

「CBは、冨安くらいの個人能力があれば、ぱっと入って、相手を圧倒することもできなくはないでしょう。いい選手が招集されているのは間違いないですけど、強い相手とやる時のCBは絶対にミスもできないし、自分がミスしなければいいという問題ではなくて、しかもサウジアラビアは一筋縄ではいかない。年齢的な面も含めた経験の谷口か、対外国籍選手への慣れという意味では植田か板倉というところでしょうか。最終予選当初よりは巻き返したとはいえ、日本は予断を許さない状況。そういう時に、経験の少ない選手を使うのは怖さがありますよね」

　森保監督が勝負を託すメンバー23人の奮起に期待したいところだ。

［プロフィール］
栗原勇蔵（くりはら・ゆうぞう）／1983年9月18日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。