足りなかった最後のピースとしてマッチすれば、チームの巻き返しも可能

　常に勝利が求められ、熾烈なポジション争いが存在するバルセロナではチームの歯車の1つに過ぎなかったコウチーニョだが、アストン・ビラでは最も経験豊富な選手の1人となる。これまでは主役としてプレーできる環境でしか輝けない“王様タイプ”の選手とも言われてきたが、ジェラード監督の下では周囲の選手をより高いレベルに引き上げるリーダーとしての役割を求められることになりそうだ。

　ジェラード監督はコウチーニョについて次のように語っている。

「フィル（コウチーニョ）がエミリアーノ・ブエンディアを高めてくれる存在なのは間違いない。カーニー・チュクエメカやジェイコブ・ラムジー、そしてドレッシングルームの皆を高めてくれる。

　私たちはできるだけ多くの優秀な選手をここに集めたいと思っているし、一緒にプレーできる選手を求めている。コウチーニョとブエンディアはトレーニングでも一緒に輝いているし、とても上手くやっているよ」

　下位に低迷していたとはいえ、アストン・ビラにはアルゼンチン代表MFブエンディアを筆頭に、イングランド代表のFWダニー・イングスやFWオリー・ワトキンス、ブラジル代表MFドウグラス・ルイスなど各ポジションに好タレントが揃う。足りなかった最後のピースとしてコウチーニョがマッチすれば、チームとしてさらなる巻き返しが可能となるだろう。短い時間のプレーだったが、ユナイテッド戦で見せたパフォーマンスは今後に期待を抱かせるには十分なインパクトだった。

　バルサで大きな壁にぶつかったコウチーニョだが、ジェラード監督との再タッグは復活に向けた大きな足掛かりとなるはずだ。