清水エスパルスの“逆襲の予感” クラブ愛あふれる平岡監督が掲げた5つのマニフェスト
【J番記者コラム】昨季獲得した16人のうち13人が残留し、チーム戦力をキープ
J1清水エスパルスは1月11日、「新体制発表記者会見」をクラブ史上初となるホームのIAIスタジアム日本平で開催された。当日は雨天となり、ピッチで予定されていたフォトセッションは中止となったが、地元メディアを中心に約40人が公式戦で通常使用されている記者会室に集まった。
まずは創設30周年記念ロゴが控えめにプリントされている新ユニフォームが紹介され、続いてクラブスローガンの「HERE GOES!(さあ、ゆこう!)」が発表された。ここ数年、シーズン終盤で残留争いを演じ低迷している現実はあるが、新シーズンに向けてのフロントの改革も進め、新戦力も加わった。クラブとして、そしてチームとして戦う準備が整い、山室晋也代表取締役社長は「優勝を目指したい」と胸を張って宣言した。
昨シーズン残り4試合でロティーナ監督からバトンを受け、3勝1分と勝ち点を積み上げてチームを残留に導いた平岡宏章監督が自身初となるシーズンのスタートから指揮を執る。昨シーズンに獲得した外国籍選手を含めた16人のうちの13人が残留。チーム戦力は維持できた。
また、大熊清GMは怪我人が多発したことが昨シーズンの失敗の原因の1つだと考え、鹿島アントラーズからMF白崎凌兵、柏レイソルからMF神谷優太、徳島ヴォルティスからMF岸本武流という複数ポジションがこなせるポリバレントな選手たちの獲得に成功した。あわせて、新卒選手ではすでに特別指定選手としてJリーグに出場し、即戦力と期待される筑波大学MF山原怜音。前十字靭帯断裂の大怪我から復帰を目指し、今はリハビリ中だが、重戦車として最前線で迫力あるプレーが持ち味の早稲田大出身FW加藤拓己。今冬の高校サッカー選手権にも出場し、その俊足で2ゴールを奪った静岡学園高FW川谷凪。そして、ユースからは飛び級でU-20日本代表にも選抜された生粋のFW千葉寛汰と昨年の天皇杯4回戦川崎フロンターレ戦に途中出場し、安定した守備能力を発揮したDF菊地脩太が加入する。
下舘浩久
しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。