EURO4強敗退も爽やかに散ったウェールズ名将コールマンの気遣いと潔さ 「ポルトガルに賛辞を、優勝を願う」

一丸となったサポーターに気遣い「大金を費やして来てくれた。幸せな思い出で恩返し」

 ウェールズ代表を率いるクリス・コールマン監督は、0-2で敗れた欧州選手権(EURO)準決勝のポルトガル戦を振り返り、レアル・マドリードFWクリスティアーノ・ロナウドが決めた強烈なヘディング弾が勝負の別れ目と悔やんだ。英公共放送「BBC」が報じた。

 互いに決め手を欠いた前半から一転。後半開始早々の4分に均衡が破れた。大仕事をやってのけたのは、ポルトガルの主将ロナウドだった。ポルトガルは右CKからショートコーナーを仕掛け、DFラファエル・ゲレイロ(ドルトムント)がファーサイドへクロスを供給。走り込んだロナウドは滞空時間の長い跳躍から、強烈なヘディングシュートを叩き込んだ。

 コールマン監督はこの1点がチームに重くのしかかったと語っている。

「1点目が決定的なものになった。前半はタフな戦いで、いい内容ではなかった。我々はボールを持ってリズムに乗れなかったが、これはポルトガルを褒めるしかない。(失点シーンでは)我々は準決勝でクオリティーの高い相手と対戦したが、5分間集中力を失ってしまった。その代償を負うことになった。いい気分ではないが、彼らに賛辞を送りたい。彼らが勝ってくれることを願うよ」

 悔しさをにじませながらも、勝ったポルトガルを讃える。コールマン監督の潔さもまた好印象を残した。

 最初の失点から3分後の同7分にはロナウドのシュートをFWナニが角度を変えて押し込み、追加点を奪われた。攻撃の中心を担うMFアーロン・ラムジー(アーセナル)を累積警告による出場停止で欠いたこともあり、ベイル頼みの攻撃は単発に終わり、そのまま0-2で敗北した。

 ウェールズの夢はベスト4で終わりを遂げた。指揮官は敗れたとはいえ、国全体が一丸となって戦ったことを賞賛している。チームの背中を押し続けてくれたサポーターへ感謝の言葉を送っている。

「選手、スタッフ、そして国全体を誇りに思う。サポーターはいつでも本当に素晴らしかった。彼らはたくさんのお金を費やしてここまで来てくれたことは知っている。この幸せな思い出によって彼らに少しでも恩返しができればいいなと思う。本当に素晴らしい」

 

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