「大舞台で決め続けるのが良いところ」 大会4ゴールの青森山田DF丸山大和が見せつけた勝負強さ
前半37分にセットプレーから先制点を奪取
第100回全国高校サッカー選手権は1月10日に決勝戦が行われ、青森山田(青森)が大津(熊本)に4-0で勝利して3大会ぶり3回目の優勝を果たした。そのゲームで先制点を挙げたDF丸山大和(3年)は勝負強さが光った。
2回戦から登場して1月8日の準決勝までの4試合を17得点2失点で勝ち上がってきた青森山田は、今年度、インターハイと高円宮杯U-18プレミアリーグEASTを優勝。この選手権と合わせての3冠を狙ってきた。1年時から出場のMF松木玖生(3年)がJ1のFC東京、MF宇野禅斗(3年)はJ2のFC町田ゼルビアに内定とタレントが揃っていた。その中では最終ラインが昨年のチームからのレギュラーが不在で、新チームは総入れ替えからのスタートとなり不安視され、厳しい目でも見られてきた。
しかし、この決勝戦では身長191センチの相手FW小林俊瑛(2年)に対し、「この先、サッカーをやっていくうえで背の高いFWが出てきた時に、身長のせいにしたらそこまでだと感じていた」という丸山が、厳しいチャージで起点を作らせなかった。相手のロングボールを無効化するなかで攻撃的に試合を支配すると、前半37分に見せ場がやってきた。
左コーナーキック(CK)の場面で、それまではゴール前の中央からファーサイドに向かったキックが多かったが、丸山は「ずっと同じことをやっていても読まれてくる」と、ニアサイドへのボールを要求した。そして、味方の動きも利用しながら走り込むと、ドンピシャのヘディングシュートを決めた。この1点で、優勝を大きく手繰り寄せた。
丸山は3回戦の阪南大高(大阪)戦でCKからゴールを奪うと、準決勝でも2得点。そして決勝戦でも決めた。大会通算4得点は得点ランキング2位タイとなり、もちろんDFでは最多得点だった。
その勝負強さについて丸山は、「質の良いボールが入ってくるところに信じて飛び込めるところ。マークがついているなかで決めないといけない。それも運、実力を発揮するのにも、大舞台で決め続けるのが自分の良いところだと思う。セットプレーではターゲットとしてやってきたので、責任も感じながら自信を持ってやった。皆が自分のためにスペースを空けてくれて、そこに藤森も蹴ってくれたのがゴールにつながったと思う」と、少しはにかみながら話した。
タイトルの懸かったトーナメント戦で、セットプレーからのゴールはチームを大きく助けるもの。「点の取れるセンターバック」である丸山の存在は、青森山田の3大会ぶり3回目の優勝において欠かすことのできない要素になっていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)