大津の山城監督、ダブルボランチに期待した4年後のリベンジ 「Jリーガーになって、松木くんや宇野くんと勝負しなければいけない」
主将の森田は「セカンドボールを回収され、守備も抑えられた」と悔恨
それでも、大津は5バックや3ボランチにして守備を固めるのではなく、普段どおりの4-4-2で臨んだ。その理由にはチームの中心である主将のMF森田大智(3年)とMF薬師田澪(3年)が組むダブルボランチと、マッチアップする青森山田のJ1のFC東京に内定のMF松木玖生(3年)、J2のFC町田ゼルビアに内定のMF宇野禅斗(3年)の存在があったという。
「ダブルボランチで勝負したいという思いもあった。森田、薬師田は4年後にJリーガーになって、松木くんや宇野くんと勝負しなければいけないのだから」
結果的には、森田が「自分と薬師田で真剣勝負したいと望んだけど、その勝負でセカンドボールを回収され、守備も抑えられた」と話したような状況には陥った。それでも、「悔しさが強いので、その差を埋められるようになりたい」という新たな想いも芽生えたという。
3大会ぶりの出場になった大津は、学校としても熊本県勢としても初の決勝進出という大舞台だった。一方の青森山田は、ここ6大会で5回目の決勝戦と、学校全体としての経験値にも差はあった。それだけに、山城監督は「場慣れではないけど、毎年出場して国立で戦うことを繰り返していかないと差は縮まらないと思う」とも話した。
決勝戦は大敗となってしまったが、公立高校でありながら日本代表DF谷口彰悟(川崎フロンターレ)らも輩出してきた名門の顔を持つ大津は、今大会で新たな歴史を築いたのは間違いない。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
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