進撃のアーセナル冨安、“世界最高峰”への最適解は? 右SBに膨らむ期待ともったいなさ

CBとして世界的な評価を高めていく可能性を本人も諦めてはいないだろう

 その一方でCBとして世界的な評価を高めていく可能性も残されており、冨安本人も諦めてはいないだろう。いずれにしても現時点で冨安は吉田麻也キャプテンと並ぶ日本代表の絶対的なCBで、どれだけアーセナルでSBとして活躍しても、日本代表では基本的にCBのポジションでその経験を還元していくことになる。

 ただ、ドイツ2部のシャルケで奮闘する板倉滉やドイツ1部のシュトゥットガルトで評価がうなぎ上りの伊藤洋輝、さらに鹿島アントラーズから三笘薫と同じベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに移籍し、中断期間の練習試合から存在感を見せている町田浩樹など、CBでもタレントが出てきており、Jリーグから若い才能が台頭してきている。

 いずれにしても冨安が世界的な名選手への道を着実に進んでいることは間違いない。ここからアーセナルでどう言った進化を見せていくかは、日本サッカーの潮流にも少なからず影響を与えていくことになりそうだ。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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