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リーグ最高給は10億円 次世代サッカー大国の可能性を秘める米国
来季からカカら大物選手が続々と加入するメジャーリーグサッカー
ブラジル・ワールドカップ(W杯)における米国内のテレビ視聴率は、前回大会に続き記録を塗り替えた。ニールセン調べによると、対ポルトガル戦はESPNとスペイン語放送のユニビジョンを合わせて約2500万人もが視聴。これはNBAファイナル、あるはMLBワールドシリーズよりも多い数である。
他にもブラジルへの渡航者数など、さまざまなデータから米国におけるサッカーの急進が見て取れる。W杯直後には、レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッドなどを含む、8つのビッグクラブを招いての「ギネス国際杯」を全米で開催。観戦チケットが売り切れる試合も多く、日本代表の本田圭佑や香川真司、長友佑都なども米国内メディアに登場した。
これとは別に、バイエルンがMLSオールスターの対戦相手として招待された他、NYレッドブルズで活躍する元所属選手のティエリ・アンリの名誉試合ため、アーセナルが初のニューヨーク遠征を実施。2万5000枚のチケットが即完売という盛況ぶりだった。
米国は今まで、サッカーをプレーする選手の多さは広く認知されていた。しかし先述した事実に加え、チケットが完売した試合会場に足を運んだり、入場制限されているスポーツパブを目にしたり、メーンのテレビ局でサッカーが放送されたりしているのを見て、米国がサッカーを観戦するフェーズに突入したのだな、と驚かされる。
MLSには来季からダビド・ビジャ、フランク・ランパード、カカなどの大物選手たちが加わり、大体どのクラブにも目玉選手がいる状況。リーグ最高給は米国代表のマイケル・ブラッドリーの約10億円と、レアル・マドリードに移籍したハメス・ロドリゲスと大差なくなった。W杯で目の当たりにした「サッカー熱」が一過性のものなのか、それとも米国にサッカーの時代が到来したのか。今後の動向に注目だ。
【了】
中村武彦●文 text by Takehiko Nakamura