大津対青森山田、注目すべきハイスペックな“守護神対決” 「派手なGKvs冷静沈着なGK」…存在感を放つのは?【高校選手権・決勝展望&注目選手】

決勝で戦う大津高校(上)と青森山田高校(下)【写真:オフィシャルサポート】
決勝で戦う大津高校(上)と青森山田高校(下)【写真:オフィシャルサポート】

初の決勝進出・大津と4大会連続のファイナリスト・青森山田が激突

 高校サッカー選手権・第100回大会の決勝戦は、4大会連続のファイナリストとなった青森山田(青森)と初の決勝進出となった大津(熊本)の対戦になった。

 この戦いではGK対決に注目したい。大津の191センチ大型守護神である佐藤瑠星(3年)は、ここまで前評判通りのビッグセーブと守備範囲の広さを見せて大車輪の活躍を見せている。

 相手のシュートモーション、目線を見て至近距離からのシュートを的確にセーブし、ハイボールに対してはずば抜けた処理能力を披露。最終ライン背後へのカバーリングもそつなくこなし、これまで幾度となくチームのピンチを救ってきた。

 一方、青森山田GK沼田晃季(3年)は、今大会で2失点を喫しているものの、安定感は全国的に見てもトップクラスだ。プレミアリーグEASTでは常に周りに声をかけて最終ラインをコントロール。セーブ、キャッチングも安定している。

 安定感の源となっているのが、集中力を維持する力だ。ピンチの数は他のチームと比較すると少ないが、逆にGKにとって攻め込まれる回数が少ないと、思うようにリズムが掴めないのも事実だ。

 それでも沼田は集中力を維持し続け、細かいラインコントロールとポジショニングの修正をしながら、「しかるべき時」に備えた準備を怠らない。だからこそ、時折やって来るシュートやピンチの際にも落ち着いて対応することができる。

 さらにキックの質も素晴らしく、キャッチからのキックのスピードも速い。準決勝の高川学園戦では、後半23分にボールをキャッチした瞬間にすぐに味方につなぎ、カウンターから4点目が生まれた。佐藤ほど派手さはないが、冷静沈着な沼田も、トップレベルの守護神であることは間違いない。

 ともにハイスペックな守護神を抱える両チーム。裏を返せば、GKが安定しているからこそ、結果を残せているのだろう。それほどGKというポジションは重要で、チームに与える影響力は大きい。

 佐藤、沼田がそれぞれのチームに与える信頼感こそ強気の守備を引き出し、チームのベクトルを前に向けてくれる。決勝ではどちらの守護神がその存在感を発揮し、チームに安定をもたらすのか。

 いよいよ、記念すべき100回大会もファイナルを迎える。強豪校の早期敗戦や新型コロナウイルス感染症の影響で関東第一(東京B)が準決勝辞退を余儀なくされるなど、先が読めない状況下での大会となったが、最後はこの2チームが堂々たるゲームを演じてくれることで、今大会開催の意義を改めて感じさせてくれるに違いない。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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