ポゼッションにもカウンターにも変幻自在! ウェールズのEURO躍進を導いた“ハイブリッド型”戦術
前半はウェールズが58.1%とボール保持で圧倒
もっとも、彼らのプレーの平均ポジションを見ると、ウェールズの実際の布陣は⑨カヌを1トップにした3-6-1、あるいは5-4-1、ベルギーは右サイドに傾いたバランスの悪い4-2-4のシステムだった。
この試合、前半13分という早い時間帯にベルギーのナインゴランが先制点を奪うが、30分にウェールズがウイリアムズのゴールで追いつくという展開だった。
前半のポゼッション率はウェールズが58.1%に対してベルギーが41.9%、ウェールズ自陣前のディフェンシブサードでのプレー比率が19.7%に対して、ベルギーのゴール前でのプレー比率が27.4%と、圧倒的にウェールズが主導権を握るゲームだった。
格下相手に負けられないFIFAランキング2位のベルギーは、後半一気に攻勢に出た。後半になると約3分の2にあたる67%という圧倒的なポゼッション率で、ベルギーが試合を支配する。相手ゴール前のアタッキングサードでのプレー比率は、なんと40.8%、逆に自陣ゴール前では12.1%しかプレーしていない。しかし、この圧倒的なデータにもかかわらず、結果は後半だけでウェールズが2得点を挙げている。