ポゼッションにもカウンターにも変幻自在! ウェールズのEURO躍進を導いた“ハイブリッド型”戦術
準々決勝でウェールズがベルギーに快勝した一戦を分析
ウェールズがベルギーを3-1で撃破し、準決勝に駒を進めた。FIFAランキング26位のウェールズが2位(2016年6月2日現在)のベルギーに圧勝したのは意外に映るかもしれないが、今回の欧州選手権(EURO)予選においてもウェールズが0-0、1-0と1勝1分、無失点と相性が良い。過去3回の対戦では3ゴールと比較的大人しい試合展開だったが、このゲームでは双方合わせて4ゴールが生まれた。
そんなウェールズの国際舞台での活躍は、かなり古くまで歴史を遡らなければ確認することができない。彼らのメジャートーナメントでの本大会出場は、今回のEURO以前では1958年のスウェーデン・ワールドカップ(W杯)以来となる。今回のEUROと合わせると、長い歴史のなかでわずか2度目のことだ。
しかし大舞台では、それなりの結果を出している。1958年のW杯では優勝したブラジルに0-1で敗戦、今大会ではイングランドに1-2で敗れたが、2度のメジャー大会9試合中負けたのはこの2戦のみだ。そんなウェールズが国際舞台において、ついにベスト4まで勝ち進むこととなった。
一方のベルギーはというと、先の2014年ブラジルW杯に続き2大会連続でメジャー大会において準々決勝まで進んだことになる。それ以前にベスト8に進出したのは、1986年メキシコW杯だったことから、ベルギーの強さは、ここ最近の傾向であることが分かる。今大会初戦でイタリアに敗戦後、8得点(失点0)と決勝トーナメント進出16チーム中トップの得点力を誇っている。
国際大会で力を発揮し、ベルギーに対して相性の良いウェールズと、近年成長著しいベルギー。それぞれベイル、アザールというスタープレイヤーを抱えた両国の一戦をデータから見てみよう。ウェールズは3-5-1-1、ベルギーは4-2-3-1のフォーメーションでスタートした。
【ウェールズ代表】
GK
1 ウェイン・ヘネシー
DF
4 ベン・デイビース
5 ジェームズ・チェスター
6 アシュリー・ウィリアムズ
MF
2 クリス・ギュンター
3 ニール・テイラー
7 ジョー・アレン
10 アーロン・ラムジー
16 ジョー・レドリー
FW
9 ハル・ロブソン=カヌ
11 ギャレス・ベイル
【ベルギー代表】
GK
1 ティボー・クルトワ
DF
2 トビー・アルデルヴァイレルト
15 ジェイソン・デナイヤー
16 トーマス・ムニエ
21 ジョルダン・ルカク
MF
4 ラジャ・ナインゴラン
6 アクセル・ヴィツェル
7 ケビン・デ・ブライネ
10 エデン・アザール
11 ヤニック・カラスコ
FW
9 ロメル・ルカク