高川学園の「トルメンタ」封殺成功 青森山田、6発圧勝へ手応え「らしいサッカーできた」

青森山田を率いる黒田剛監督【写真:小林 靖】
青森山田を率いる黒田剛監督【写真:小林 靖】

高川学園相手に6-0勝利、大津(熊本)との決勝へ進出

 第100回全国高校サッカー選手権は1月8日に準決勝が行われ、高校3冠を目指す青森山田(青森)はセットプレーが話題の高川学園(山口)を完全に封殺する勝利を収めた。

 今年度、インターハイと高円宮杯U-18プレミアリーグEASTを優勝。この選手権と合わせての3冠を狙う。1年時から出場のMF松木玖生がFC東京、MF宇野禅斗は町田ゼルビアに内定とタレントが揃っている。一方の高川学園は1回戦から登場。2回戦からの3試合はすべて1点差の接戦を制してきた。特に選手たちが輪のようになる「トルメンタ」と名付けられたものなど、工夫を凝らしたセットプレーが話題になり注目を集めてきた。

 その高川学園のセットプレーに対する青森山田の策は「セットプレーを与えないこと」だった。黒田剛監督は「(高川学園の)トリックプレーなども想定していたが、できるだけコーナーを与えず、シュートを打たせず、本来志向してきたハイプレスのサッカーをやろうというところから入った」のだと話す。それは「もっと青森山田らしいサッカーをしようというのがテーマだった」という意味があった。

 逆に相手のお株を奪うようにセットプレーから前半に2得点すると、後半には4得点のゴールラッシュだった。6-0で終わった試合の記録は、シュート18本を放つ攻撃的な要素も目立つが、相手に打たせたシュートは前半の2本のみで、与えたコーナーキックはゼロ。究極のセットプレー対策を見せつける形になった。

 3大会ぶり3回目の優勝を目指すなか、10日の決勝戦は大津(熊本)と対戦する。新型コロナウイルスの陽性反応を示した選手が出た関係で、大津は準決勝の対戦相手の関東第一(東京B)が出場を辞退したため、4日の準々決勝から休養十分の相手と対峙することになる。

 黒田監督は「中1日、疲労を考えれば大変な決勝戦になると思うが、多くの交代選手を使えたのも良かった。何でもできるサッカーを志向して1年間やってきた。そこから入ったことでノビノビできたのではないか」と話し、主将の松木も「この試合で自分たちらしいサッカーを取り戻してイキイキとサッカーができた。次は自分たちのコンディション次第だと思う。大津はかなりの強敵。まだ自分たちは選手権で何も成し遂げていないとミーティングでも話していきたい」と、決戦を見据えた。

 前回大会も準決勝は5-0と大勝したものの、決勝で敗れた。中1日でどこまでコンディションを回復させ、この高川学園戦で見せたような敵陣に相手を押し込むハイプレスを披露できるかが、3冠達成へのカギになりそうだ。

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