マジョルカ監督と記者、「認めない」「いや話を続けさせて」――緊迫の“押し問答”バトルのワケ

久保の決勝点でアトレティコに勝利もシーズン途中からペースダウン

 一方、ゲームメーカータイプのMFイニゴ・ルイス・デ・ガラレタ、MFサルバ・セビージャが戦線離脱しており、試合前にチーム練習に参加できなかったから先発起用しなかったと監督は説明した。それでも「練習してなくてもサルバを使うべきだった」と自身の采配を悔やんでおり、報道自体を否定するものではなかった。

 頭では分かっているものの心情的に拒否反応を示しているのは、少なくとも状況説明はした、という点。あとは寝られないほど構想を練ったのに結果が伴わない歯がゆさやフラストレーションから来るものではないか。

 チームは最近のリーガ3試合で1分2敗。久保の決勝点で勝利したアトレティコ・マドリード戦(1-2)を除けば最近のリーガ10試合は6分4敗。ここまでホーム最後の勝利は3か月前のレバンテ戦(1-0)にまで遡ることになる。開幕から3試合で2勝1分と好スタートを切ったことを考えればペースダウン感は否めない。

 今週末には対戦相手が一周し、改めてレバンテとの対戦から後半戦が始まる。基本的な戦い方は変わらないとするマジョルカがどんな立て直しを図るのか。そのなかで近く戦線復帰するであろう久保がこれまでと同じ、またはそれ以上の働きを見せるのか。しばらく様子を見なければ判断できない状況になっている。

(島田 徹 / Toru Shimada)

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島田 徹

1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。

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