インザーギ監督が恩師“アンチェロッティ超え”を誓う 目標は選手&監督でのCL制覇

「選手の方が楽だった」

 

 昨季終了後に解雇されたクラレンス・セードルフ前監督の後任を探していたシルビオ・ベルルスコーニ会長に5月31日、赤と黒の名門を率いる大役を命じられたインザーギ監督はその職務に対して不眠不休で人生を捧げているという。

「イタリア代表のアントニオ・コンテ監督がそうだったように、監督就任初日から眠れなくなったのか?」

 その問いかけに指揮官はこう答えた。

「まさにそうだ。でも実際には、ミランの下部組織の監督をしている時にも、よく眠れていたわけではない。僕は完全にプロとして生きている。試合にはユースの時と同じように立ったままで臨む。選手の方が楽だった。

 今は感動を選手たちに伝えようとしている。正しい選択をしようとしている。選手個々よりもグループをまず考えている。選手時代にも、まずチームのことを考えていたから。集団(の成功)は個よりも大きな歓喜となる。みんなから愛されることは不可能だけど、正しさは評価されたい。えこひいきは決してしない」

 さらにインザーギ監督は自らのワーカホリックぶりについて、「決して休まない。ミラネッロに朝来て、夜帰る。スタッフと相互に影響を与えながら仕事をしている。スタッフの専門的な能力と熱心さに感謝している。週の初めには終わった直後の試合を分析し、次の準備をする、幸運にもミラネッロは素晴らしい環境だ。僕はここに生きている」と表現している。

 ミランでは様々な選手がインザーギ監督への敬意を公言している。だが、それは現役時代の実績によって生み出されたリスペクトではない。崇高なプロ意識や熱意こそが自然と周囲の人々の胸に尊敬の念を植え付けているに違いない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

 

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