久保建英の前半戦、マジョルカ番記者が査定 成長ぶりを高評価「守備でもいい働きをしている」
負傷で戦線から一時離脱もアトレティコ戦のゴールで強烈インパクト
スペイン1部マジョルカの日本代表MF久保建英は、現地時間1月2日に行われたバルセロナ戦で招集外となり、今季のリーガ前半戦を終了した。
久保の2021年後半は波乱に富んだものとなった。東京五輪ではグループステージ3試合連続得点を記録し、日本代表の準決勝進出に大きく貢献。その後、レアル・マドリードからの期限付き移籍で2季ぶりにマジョルカに復帰した。
リーガ開幕戦のベティス戦こそ合流の遅れにより途中出場となったが、その後はルイス・ガルシア監督の信頼を早々に勝ち取り、5試合連続の先発出場を達成するなど、幸先の良いスタートを切った。しかし9月22日のリーガ第6節レアルド戦の前半に右膝を負傷してしまう。
久保が怪我を負うのはスペイン3季目にして初。クラブは詳細を明かさなかったが、スペンメディアは右膝半月板損傷と報じた。長期間の欠場を余儀なくされた久保は、2か月後の11月27日、第15節ヘタフェ戦で復帰を果たした。
膝の具合を気遣い監督は無理にプレーさせることを避けていたなか、12月4日に行われた第16節で昨季のリーガ王者アトレティコ・マドリード相手に、久保は終了間際に決勝点を決めて今季初得点を記録するとともに復活を強くアピールし、強烈なインパクトを残した。そして第18節グラナダ戦で今季初めてフル出場し、チームは1-4の惨敗を喫したが、久保は怪我明け後に調子を上げた状態でクリスマス休暇を迎えていた。
休暇明けの12月28日、クラブは選手4人、コーチングスタッフ3人が新型コロナウイルスに感染したことを発表。しかし個人名の明言を避けたため、誰が感染しているか分からないまま、新年最初のバルセロナ戦のメンバーリストが発表された。すでに新型コロナウイルス感染の可能性が報じられていた久保は欠場理由が不明のままベンチ外となり、古巣相手にピッチに立つことなく、今季のリーガ前半戦を終了した。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。