今大会ノーゴールの青森山田FWが殊勲の逆転弾 ハーフタイムに「今日は絶対、お前に来るから」…黒田監督の声に発奮
前半終了間際のPKで追いつき、後半にスローインの流れからFW渡邊が逆転ゴール
第100回全国高校サッカー選手権は1月4日に準々決勝の4試合を行い、等々力陸上競技場の第1試合では、青森山田(青森)と東山(京都)が対戦した。初のベスト8進出を決めた東山が先制したものの、青森山田が2-1と逆転してベスト4進出を決めている。
インターハイの準々決勝でも対戦していた両チーム。その時は青森山田が5-2と勝利し、優勝まで駆け上がった。その借りを返したい東山は、5バックの守備的な戦い方で青森山田を封じにかかる。
インターハイ、プレミアリーグと2冠を達成し、今大会でも優勝の筆頭候補に挙げられている青森山田は、ボールを保持しながらも、なかなかチャンスを作り出せない。黒田剛監督は、「相当、固い入りをしてしまったなという印象。それから頭が回っていなかったという前半であったことは間違いない」と、試合の入りに課題が残ったと語った。
青森山田に攻めさせながら、チャンスを狙っていた東山は、前半16分にスローインを得ると、その流れからDF仲里勇真の上げたクロスをDF夘田大揮が合わせて先制した。同33分にも東山は、青森山田の攻撃を凌いで反撃に転じると、右サイドからMF阪田澪哉が折り返したボールに、FW藤枝康佑が飛び込むが、わずかに合わずに追加点を挙げられなかった。
攻めあぐねていた青森山田に、前半終了間際にチャンスが訪れる。左サイドからのクロスが夘田の手にあたり、ハンドの判定。これで得たPKをMF松本玖生が、GKに触られながらも「気持ちで入ったゴール」と振り返る一撃で追いつき、1-1の同点で折り返した。
この1点で追いついた青森山田は、後半13分には右サイドからロングスローを入れると、FW渡邊星来が反応。今大会、ここまでノーゴールだった渡邊だが、「ハーフタイムに監督から『今日は絶対、お前に(チャンスが)来るから』と言ってもらい、信頼してもらっていると感じられて嬉しかった」と、指揮官の期待に応える逆転ゴールを決めてみせた。
その後、東山も反撃を見せたが、リードを奪ってから落ち着いた試合運びを見せた青森山田のゴールを割ることはできずに試合は終了。インターハイに続き、東山を破った青森山田が、4大会連続のベスト4進出を果たしている。
(FOOTBALL ZONE編集部)