静岡学園の攻撃サッカー、不完全燃焼で8強敗退 「力不足」…指揮官が敗因指摘
圧倒的に攻め込みながら関東第一にPK敗戦、大会屈指のタレント軍団が姿消す
第100回全国高校サッカー選手権は1月4日に準々決勝が行われ、2年ぶり3回目の優勝を目指した静岡学園(静岡)はPK戦の末に関東第一(東京B)に敗れて姿を消した。圧倒的に攻め込みながら勝利を逃した試合後、川口修監督は「力不足」という言葉を繰り返した。
静岡学園は3回戦までの3試合を14得点無失点で勝ち上がり、DF伊東進之輔がギラヴァンツ北九州、MF玄理吾が徳島ヴォルティス、MF古川陽介がジュビロ磐田、MF川谷凪が清水エスパルスに加入内定と、大会屈指のタレント軍団と言える。
そうして迎えたこのゲームでも、評判に違わぬ攻撃的な姿勢を見せた。かなりの時間でボールを保持し、両サイドからの攻撃を中心に何度となく相手ゴール前に迫った。クロスボールがゴール前を際どく横切る場面も多く、得点は時間の問題かという展開が前半の立ち上がりから続いた。
それでも関東第一の粘り強い守備もあり、ようやくゴールが生まれたのは後半20分、左サイドからのクロスを途中出場した直後のFW持山匡佑がヘディングで落とすと、フォローしてきたMF小泉龍之介が低く抑えた強いシュートを決めた。
しかし、そのリードは同40分にロングボールからサイドを破られての速攻で追いつかれた。川口監督は「今年のチームの課題であるリスク管理。枚数はいるのにと。今年はそういう部分で失点があったのに改善できなかった」と悔しがった。試合全体を見ても関東第一のチャンスらしいチャンスがほとんどないなかで、試合は1-1の同点でPK戦に。そして、そこでは2人が失敗しての敗退になった。
川口監督は「試合は残念ながら良い結果にならなかった。自分たちの弱さ、関東第一さんの素晴らしい集中した守備力で、上回れなかった。今から反省しても仕方ないが、力不足ということで残念な結果だった。関東第一さんの素晴らしい守備を打ち破る力がなかった。点を取る、攻撃的に行くスタイルですから、そこが相手を上回れなかった。力不足だと思う」と、圧倒的に攻め込みながら1得点にとどまったことへの無念さを語った。
2大会ぶりの優勝も狙える陣容だったが、サッカーの怖さとでもいうべき、試合内容をスコアに反映できるかという点で試合を苦しいものにしてしまった。静岡学園らしい攻撃サッカーは十分に披露したが、その内容を見る限り準々決勝での敗退は不完全燃焼の印象が強く残ることになった。
(FOOTBALL ZONE編集部)