優勝候補・静岡学園へ“緻密なマネジメント”で対抗 関東第一、システム転換で波乱の可能性も!?【高校選手権8強展望&注目選手】
3試合で14ゴールの静岡学園と初の8強進出を果たした関東第一が激突
3試合で14ゴール無失点と攻守両面で安定した力を発揮している静岡学園(静岡)。まさに優勝候補と呼ぶにふさわしいチーム力を誇る静岡学園に挑むのは、初の選手権ベスト8進出を果たした関東第一(東京B)となった。
関東第一は開幕戦で中津東(大分)に6-0と圧勝し、2回戦ではユース年代ナンバーワンCBのチェイス・アンリ擁する尚志(福島)をPK戦の末に振り切ると、3回戦では2大会連続ベスト4の矢板中央(栃木)を相手に攻撃陣が多彩なアタックを見せて3-2の勝利。「試合をこなすごとに成長を感じている」とMF肥田野蓮治(3年)が語ったように、関東大会予選、インターハイ予選で敗退していたチームは今、最高の状態に仕上がってきている。
静岡学園は今大会、左にMF古川陽介(3年)、右にMF髙橋隆大(2年)、もしくはMF川谷凪(3年)という強烈なウイングを置いた4-2-1-3システムで覇権奪還を狙う。そんな静岡学園に対し、関東第一がどのような布陣で挑むのかは見どころの1つだろう。
今年の関東第一は4バックと3バックを併用して戦っているが、今大会では3試合ともスタートは3-4-2-1システムを採用。後方からのビルドアップは3バック中央のDF池田健人(3年)に任せ、MF藤井日向(3年)とMF堀井榛人(3年)のダブルボランチによるテンポの良い配給をベースに、FW本間凛(2年)、MF林尚樹(3年)、MF肥田野蓮治(3年)の推進力を引き出すのが狙いだ。
左ウイングバックを務めるMF若松歩(3年)のクロスやカットインからのスルーパスやシュートも魅力的。右ウイングバックはやや迫力を欠くが、DF川口颯大(1年)、MF小谷旺嗣(2年)、DF下田凌嘉(3年)、DF倉持耀(2年)を状況に応じて使い分けることでカバーしている。
このシステムが初戦からハマっている一方で、小野貴裕監督は細かい調整をしっかりと加えている。基本は1トップに本間、両インサイドハーフに肥田野と林を置いているが、2回戦の尚志戦ではチェイス・アンリに得意のフィードを蹴らせないという狙いから、本間と林の位置を入れ替えた。