選手権初勝利、新たな歴史を作った宮崎日大 静岡学園戦へDF外山将大「勝って、ベスト8に入りたい」
芥川のアシストについて「ボールのすばらしさに、ビックリ」とおどける
全国大会の初戦で思うようなプレーができなかった宮崎日大だが、富山第一にボールを握られながらも、GK羽間友基を中心に無失点で耐え続けた。そして後半33分、ゴール前でFKのチャンスを得る。
MF芥川蘭丸はDFとGKの間にスペースがあったことから、シュートを打たずにパスを選択する。そのボールに合わせたのが、最終ラインで体を張っていたDF外山将大だった。「アシストしてくれた仲間(芥川)のボールの素晴らしさに、自分自身もビックリした」と笑う外山が、ヘディングで決勝ゴール。12月31日の第100回全国高校サッカー選手権大会2回戦、富山第一対宮崎日大の一戦は、宮崎日大が1-0で勝利を収めた。
ペナルティーエリア、すぐ外のゴール左からのFK。芥川が「本来なら狙えるところなので、あまり(合わせる)練習はしていなかった」と言うと、外山も「昨日もセットプレーの練習をしていましたが、ああいう形での練習は2本か、3本しかしていません。ぶっつけ本番で決められました」と、顔をほころばせる。
あの位置からのセットプレーの練習は、決して多くこなしていない。それでも、得点になったヘディングは、しっかりと鍛えてきたものだ。外池は「ヘディングの練習を、朝倉(太志)監督にしてもらっていました。小さいことの積み重ねが、得点や自分のいいプレーにつながるんだなと思いました」と、選手権初勝利をもたらした一撃を振り返った。
1月2日の3回戦で宮崎日大は、静岡学園と対戦する。外山はもともと静岡県出身。中学時代の恩師と南光太総監督が、かつて同じチームでプレーしていたことから、宮崎日大でサッカーをすることになった。
宮崎日大で「メンタルの部分。技術、パス、コントロール、ロングキックの精度など、サッカーの技術も成長できた」と語る外山は、地元の知り合いたちも注目するであろう一戦に向けて闘志を燃やす。
「初戦を突破して静岡学園と当たることを頭に描いていました。そこと戦って、しっかり勝てるのか。相手チームが地元のチームなので、知り合いも結構、見てくれると思う。そこに勝って、ベスト8に入りたい」
新たな歴史を作った外山だが、満足することなく、次の目標を見据えた。
(河合 拓 / Taku Kawai)