イタリアPK戦のジンクス再び、EURO8強で散る 号泣の守護神ブッフォン「僕ら全員に涙を流す理由がある」
伝統的に苦手なPK戦 ドイツキッカー4人を阻んだが…
涙を流してピッチを去った38歳の守護神は、「僕らは夢を実現させるために全てを費やしたんだ」と無念さに溢れた言葉を残している。欧州選手権(EURO)準々決勝でPK戦の末に敗れたイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンは、試合後にイタリア国営放送「RAI」のインタビューに、涙が止まらないまま応じている。
「あまりにもショッキングな夜になってしまった。僕らは特別なことを成し遂げようとゲームに臨んだんだ。そして、それは本当に最後のステップで締めくくることができるところだったんだ。僕らは自分たちにできる最大限のことをしたんだ。結果を追い求めて、汗を流し、僕らは夢を実現させるために全てを費やしたんだ。僕らは全員に涙を流す理由がある。全員がチームのために働き、全員が団結した。そこには大きな価値があるんだ。だからこそ、本当に残念だよ…」
敗戦のショックを隠そうともしないブッフォンはそう語った。今大会のイタリアは初戦でタレント軍団ベルギーを撃破し、グループステージを首位通過した。結果的に“死の山”に組み込まれ、決勝トーナメント1回戦は前回大会決勝と同じカードのスペイン戦になった。それでも、イタリアの守備陣は全く崩れることなく3連覇を狙う無敵軍団にリベンジを果たした。ブッフォンも、後半終了間際にスペイン代表DFジェラール・ピケによる至近距離の決定的なシュートを超人的な反応で弾きだしていた。
それでも悔やまれるのはこのドイツ戦での1−1で迎えたPK戦だ。ブッフォンはドイツ2人目のFWトーマス・ミュラーのシュートを完全に読み切ってセーブした。3人目のMFメスト・エジルと5人目のMFバスティアン・シュバインシュタイガーはブッフォンの圧力に屈したかのように枠を外した。それでも、イタリアも3人が失敗してしまった。サドンデスとなった6人目以降は4連続ゴールを決められた。コースを読んでいるキックは多かったが、ボールはブッフォンの手の先を超えてゴールに吸い込まれ続けた。
「5人目までに3人が失敗してしまっては、PK戦を勝利するのに十分ではないということなのだろう。だが、そこに説明なんかつかないんだ。本当に厳しいものだよ。僕らは、夢に近づく本当にあと少しのところまで行ったんだ。そして、僕らは相手にとって負かすのが本当に難しいチームだったと思う。だからこそ…、本当に残念だ」