久保建英の22年初戦バルサ戦に期待するもの 元同僚や“後輩”たちに見せるべきものは?
1部チームはクリスマス休暇を終えて練習再開も新規感染者が増加
リーガ・エスパニョーラは大半のチームがクリスマス休暇を終えて練習を再開し、12月31日から来年1月3日に行われるリーグ前半戦最後となる19節へ向けて準備を進めている。もっとも、選手たちにはピッチに入りボールを蹴る前に戦わなければならない相手がいる。再び猛威を振るっている新型コロナウイルスだ。
スペインでは、イングランドやフランス、ドイツほどではないとはいえ12月21日に1日の感染者が4万9823人を記録。これはパンデミック下で同国最多の数字になった。全国で屋外でのマスク着用義務が改めて課されたほか、感染が広がっているカタルーニャ州では夜間外出の禁止、夜間の遊興施設やイベントの中止、仕事などでの会合の人数制限を設けるなどの対策を講じており、そのほかの自治州でもこれに倣う動きが広がっている。
いわばこれまで取り戻してきたいつもへの生活への歩みを、過去にいた地点に戻ったうえで始めなければならないということ。すごろくで振り出しに戻る時の憂鬱さや無力感、簡単に言えば面倒臭さがある。
当然のことながらサッカー界にも影響は出ている。多くの1部チームは12月27日、クリスマス休暇を終えて練習再開したが、この時点で実施された検査により6チームで計31人の新規感染者が確認された。2部でも同様の傾向があり、テネリフェ対ラス・パルマスのカナリア諸島ダービーは延期、または無観客試合での実施が検討されている。
リーグ機構は当面1チームに13選手、うちトップチーム所属選手が5人含まれていれば試合実施可能だとの指針を示している。もっとも、現状で各チームの監督が一番恐れているのが感染者を出さないことだろう。リーグ首位のレアル・マドリードが今月19日までに6人の感染者を出し、下位に沈むカディス戦に引き分けたことが好例。主力選手を一気に奪われ、下部組織選手で対応せざるを得ないのは戦力ダウン以外の何物でもない。
島田 徹
1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。