ウェールズOBが殊勲の無所属FWを称賛 「私がプレミアクラブの会長なら彼と契約する」
「彼が伝説となったことは確かだ」
ハートソン氏はカヌの切れ味抜群の反転から生まれた得点シーンを「なんてゴールなんだ。彼はトーマス・ムニエに紅茶とトーストを取りに行かせた」と表現。カヌは鋭いターンで密着マークをしていたムニエだけでなく、カバーに入ったDFジェイソン・デナイヤー(マンチェスター・シティ)とMFマルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)も同時に手玉に取り、完全にフリーの状態でシュートに持ち込んでいた。
グループステージ初戦に続く今大会2点目を挙げたカヌは、この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選出された。そして「BBC」による採点でもウィリアムズ、ラムジーと並ぶチームトップタイの9点が与えられた。寸評でもそのテクニックに賛辞が送られたほか、ウェールズのサッカー史にその名を刻んだと断言されている。
「なんて言えばいいんだ? アメージングだ。彼の勤勉さと努力はよく知られているところだが、彼の見せたベルギーDFを置き去りにした180度のターンは知られていなかった。現在、所属クラブはなしだが、彼がウェールズフットボールの伝説となったことは確かだ。ファンは彼の名前を歌うことをやめなかった」
昨年10月にはFIFAランキングで同国史上最高位となる8位まで浮上するなど進境著しいウェールズでは、ベイルやラムジーといったビッグクラブでプレーする個々のタレントに注目が集まっていた。しかし、準々決勝という大舞台で新たなヒーローが誕生した。
準決勝では決勝トーナメントを2試合連続PK戦の末に勝ち上がってきたポルトガルと対戦する。ベルギー戦に続くジャイアントキリングで、決勝に駒を進めることはできるだろうか。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images